オフィス仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が7日発表した2月の東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス平均募集賃料は、前月比46円(0.2%)高い1坪(約3.3平方m)当たり1万9,776円だった。
需要が旺盛な渋谷区で賃料を引き上げる動きが広がり、全体を押し上げた。空室率はわずかに高くなった。竣工から1年未満の新築ビルが280円(1.0%)高い2万7,845円、既存ビルが24円(0.1%)高い1万9,613円だった。
行政区別では、千代田区が75円高い2万1,556円、中央区は34円高い1万7,991円、港区は54円安い1万9,409円、新宿区は62円高い1万7,902円、渋谷区は183円高い2万2,838円となった。
賃料のけん引役は渋谷区だ。同区はIT(情報技術)やエンターテインメント、アミューズメント系の企業を中心にオフィスの移転・拡張が進む。新築ビルが高めの賃料で募集し、既存ビルもテナント入れ替えの際に引き上げる動きがある。
空室率はわずかに上昇した。都心5区全体は0.03ポイント高い5.86%だった。新築ビルが5.76ポイント低い24.44%、既存ビルは0.26ポイント高い5.43%となった。港区の既存ビルで起きた大型解約の影響が出た。
オフィス仲介大手、三幸エステート(東京・中央)の今関豊和チーフアナリストは「賃料を引き上げる動きが出てきた。需要の拡大基調が定着しつつある」と話す。
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