東証REIT指数急落 3力月ぶり安値 米金利上昇を警戒
オフィスや物流施設などで運用する不動産投資信託(REIT)相場が急落した。総合的な値動きを示す東証REIT指数は28日、3日続落した。同期間の下げ幅は5%と6月中旬(7%)以来3カ月半ぶりの大きさ。終値も6月下旬以来3カ月ぶり安値となる1,916.79を付けた。海外投資家を中心にリスク資産を手放す動きが強まった。
タイプ別にみると、オフィス指数が1.8%安で最も下落率が大きくなった。オフィスビルの運用比率が全体の4割と最も高いタカラレーべン不動産投資法人は前日比3%安まで下がり、1年8カ月ぶりの安値をつけた。六本木ヒルズ森タワー(東京・港)などに投資する森ヒルズリート投資法人も3%安で1カ月ぶりの安値だった。来年以降の景気の不透明感から企業のオフィス需要が限定的になるとの見方が強まり、売りが広がった。
金利上昇による影響も大きい。27日に米長期金利は一時3.99%と12年ぶりの高水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)の積極的な金融引き締めが長期化するとの観測が投資家心理を冷やし、リスク資産を手放す動きが強まった。
特に物流施設関連など利回りが低いREITは、割高感が意識され売り圧力となっている。CREロジスティクスファンド投資法人は前日比3%安、三菱地所物流リート投資法人が前日比2%安となった。みずほ証券の大畠陽介氏は「新型コロナウイルス禍に物流施設への需要の高まりから割高な水準まで買われた。現在の金利上昇局面は、売られやすい地合いだ」と指摘する。
一方で、ホテルや都市圏の大型商業施設は水際対策の緩和によるインバウンド需要の回復期待が高まっている。「地銀を中心に買いが入り、REITの相場を下支えする」(国内証券)との声も上がっている。
|