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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

東証REIT 全面安 2力月半ぶり水準 需給悪化を嫌気

 不動産投資信託(REIT)の値動きが軟調だ。23日の東京市場で総合的な値動きを示す東証REIT指数は前週末比29ポイント(1%)安の2,094.86と、約2か月半ぶりの安値を付けた。海外ではインフレ下で価格上昇が見込める資産として資金流入が続くが、国内では公募増資の増加による需給悪化を嫌気した売りが出ている。  この日は東証に上場するREIT62銘柄のうち61銘柄が下落するほぼ全面安の展開となった。下落率の大きい銘柄を見ると、ヘルスケア&メディカル投資法人が4%安、森トラスト・ホテルリート投資法人や平和不動産リート投資法人が3%安と、幅広いセクターに売りが広がった。  8月以降の騰落率を見ると、世界のREITの値動きを示すS&P先進国REIT指数(配当込み)が0.3%安と底堅く推移する中、東証REIT指数は3%安と下落が目立つ。背景にあるのは需給悪化に対する警戒感だ。  8月2日にイオンリート投資法人、18日に大和ハウスリート投資法人が公募増資を発表した。増資で投資口数が増えると1口当たりの価値が下がるため既存投資家には嫌気されやすい。「8月以降は大型銘柄で増資が増えており、市場全体で増資が増えるとの懸念が広がった」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹運用本部長)  今年前半は投資口価格の上昇にもかかわらず例年と比べ増資が少なかったため、「8〜9月にかけて増える見込み」(SMBC日興証券の鳥井裕史シニアアナリスト)との見方も投資家の慎重姿勢を誘っている。  一方「(この局面での増資は)分配金を大幅に上昇させるようなプレミアム増資が大半」(国内運用会社)との指摘もある。短期的な売りが一巡すれば、長期目標の投資家を中心に資金が戻るとの声もあった。

日経 2021年08月24日朝刊

 

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