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東京23区の新築マンション価格の高騰が止まらない。不動産経済研究所が21日発表した2025年4〜9月の平均価格は1億3,309万円と前年同期に比べ20.4%伸びた。上半期では最高値を更新した。供給数が少なく、投資目的を含めた旺盛な需要が価格を押し上げる。実需層が流れる中古物件も「億ション」が定着しつつある。
「工事費や土地代が高くなっており、今後も下がる見込みはない」。不動産経済研究所の松田忠司上席主任研究員はマンション価格について、こう分析する。首都圏でみると平均価格は19.3%増の9,489万円と、大台の1億円に近づく。
需給が引き締まっていることが背景にある。同期間の首都圏の供給戸数は11.1%増の9,150戸。大規模物件の発売が集中したことで増加に転じたが、中長期で増える兆しは乏しい。用地が少ないことに加え、工事現場の人手不足による着工遅れやコスト高が供給数を押し下げている。
それでも「パワーカップル」などの高所得層からの需要は大きい。東京建物が26年8月竣工の「ブリリア二番町」(東京・千代田)は、今年5月に抽選販売した全51戸のうち、1LDKで1億3,650万円の住戸が最高倍率30倍となった。
市況が好調なことから値上がり期待も膨らみ、外国人や投資家がセカンドハウスや転売の目的で購入する動きも広がる。三菱UFJ信託銀行の調査によると、都心の千代田区・港区・渋谷区のマンションで外国人取得者が占める割合は7月時点で平均19%だった。
現状の価格水準はファミリー層を中心とした購入希望者の高嶺の花となる。「郊外の物件は駅隣接といった好条件でない限り、高すぎて売れ残るケースもある」(大手不動産デベロッパー首脳)。
需要は中古へ流れる。東日本不動産流通機構(東京・千代田)のデータでは首都圏の中古マンションの4〜9月の成約件数は2万4,097件と前年同期比で35%伸びた。
各社も中古に力を入れる。三井不動産の仲介子会社、三井不動産リアルティは高額マンションの中古売買を増やすため、6月に高級エリアとして知られる港区の白金高輪や麻布十番に富裕層向けの店舗を開いた。4〜9月の東京23区の中古マンションの取扱高は前年同期から16%増えた。
野村不動産ソリューションズも4〜9月の仲介手数料収入が首都圏で大きく伸びた。
需要が移った結果、東京23区では中古でも「億ション」となりつつある。不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)によると、8月の東京23区の中古マンション価格(70平方mあたり)は前年同月比38%上昇の1億721万円だった。
国は投機目的の不動産購入への制限を模索する。自民党と日本維新の会による連立政権合意書には、外国人や外国資本による土地取得規制を強化する法案を26年通常国会に向けて策定することが盛り込まれた。
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