不動産だよりロゴ

不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

オフィス供給来年3倍 東京都心、再開発完工多く

 国内のオフィスビルの供給が2018年に急増する見通しだ。主要都市のビル面積の過半を占める東京都心部で新たに完成する大型ビルの床面積は、17年の3倍に伸びる。再開発計画が進み、貸し床面積が1万uを超えるビルの完工が相次ぐ。既存ビルとテナントを取り合う動きが進み、空室率の低下が7年ぶりに止まる可能性がある。賃料の下落圧力になる。  不動産サービス大手JLL(東京・千代田)によると、伸びが目立つのは東京都の千代田区や中央区といった都心部だ。 18年に完成する大型ビル(延べ床面積3万u以上)のオフィス面積は59万6,940uと、17年の3倍に急増する。  容積率の緩和を追い風に進められた再開発プロジェクトの完了が相次ぎ、08年のリーマン・ショック後で最多になる。東京に次ぐ規模の大阪市内中心部は、大型物件が開業した反動で18年の新規供給面積が17年の半分以下にとどまる見通しだ。東京の増加が際立つ。  東京は貸し床面積が1u超の大型ビルが10棟程度完成する見込みだ。最大規模は三井不動産が開発し、2月に完成予定の東京ミッドタウン日比谷(千代田区)だ。 1フロアの面積が約3,300uと広く、ビジネス交流拠点や映画館を併設する。  東京都心で再開発が始まった00年以降でみると、18年の新規のオフィスビル供給量は07年に次ぐ3番目の水準だ。新丸の内ビルディング(千代田区)や虎ノ門ヒルズ(港区)といった大型ビルが完成し、過去10年で大型ビルの床面積は約2倍に増えた。  企業のオフィス需要は旺盛だ。好業績で従業員を増やしたり、事業所の集約で業務の効率化を目指して借り換えたりする企業が目立つ。  会計監査を手掛けるデロイトトーマツグループは、5つのビルに分かれていた主要な事業部門を18年10月完成の「丸の内二重橋ビルディング」(千代田区)に集約する。  JLLは「主要ビルの8割で入居企業が内定している」と分析する。ただこうした利用は既存ビルからの移転を伴う。外資系企業の日本拠点の開設といった新たな需要は限られている。  住友商事が18年に千代田区の新ビルに移るのに伴い、現在本社がある「晴海アイランドトリトンスクエア」(中央区)では次の入居企業の募集が始まっている。新規開業の大型ビルと既存ビルとで顧客の奪い合いが続けば、既存ビルを中心に空室率が上昇しかねない。  三鬼商事(東京・中央)によると、東京都心のオフィスビル空室率(12月末時点)は16年まで5年連続で低下し、17年も下がる公算が大きい。18年は大型物件の供給が増え「既存ビルを中心に空室率が上昇する可能性がある」(三幸エステート=東京・中央=の今関豊和氏)との声が目立つ。  都心オフィスビルの平均募集賃料は17年まで4年連続で上昇している。 空き部屋が広がれば「立地などの条件が劣るビルは値下げを迫られやすくなる」(JLLの赤城威志氏)。賃料収入が減るビルが増えれば、不動産会社や不動産投資信託(REIT)の業績悪化につながりそうだ。

日経 2017年12月29日朝刊

 

Copyright (C) ADvance Forward Co.,Ltd. All Rights Reserved.