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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

賃貸住宅 建設ラッシュ 昨年度15%増 投資マネー流入 個人は相続増税に備え

 賃貸住宅の建設ラッシュが続いている。2013年度は新設戸数が前年度比15%増え、今年度も単月ベースで増加が続く。都市部の地価持ち直しで生命保険会社などの投資マネーが流入しているほか、相続税増税を控えた個人の節税投資もみられる。高齢者向けの賃貸物件も増えており、住宅市場の下支え役となっている。  4月の住宅着工件数は持ち家が前年同月比16.1%減、分譲住宅が7.8%減と消費増税の影響が強く出た。ただ賃貸住宅は12%増と14カ月連続でプラスを維持し、5月も増加基調を保ったもようだ。  13年度でみても賃貸住宅の新設は37万戸と前年度比15.3%増え、08年度以来5年ぶりの高水準。伸び率は持ち家(11.5%)や分譲住宅(3.8%)より高い。国内の住宅は約4960万戸(08年時点)あり、賃貸物件は36%を占めるがさらに比率が高まる可能性もある。  賃貸住宅が増えているのは、投資マネーが流入しているためだ。賃貸物件は人口が流入して地価も持ち直している都市部に多い。第一生命保険は賃貸マンションヘの投資を始め、都内の6棟を120億円で取得。国債利回りが低下しており、生保は運用改善のために投資先を広げている。  オリックスや積水ハウス系の不動産投資信託(REIT)も4月以降、賃貸物件をそれぞれ200億円前後で購入した。「安定利回りが見込める大都市圏の賃貸マンションは投資家の取り合いになっている」(ドイツ証券の小夫孝一郎ディレクター)という。  相続税の節税目的の個人の投資も増えている。相続税は15年1月から基礎控除額が4割減り、死亡者のうち相続税の対象となるのは年5万人強から1.5倍程度に増える見通しだ。最高税率も50%から55%に上がる。  ただ遺産が賃貸住宅の場合は、入居者の借地権や借家権が資産評価から差し引かれる。みずほ総合研究所によると、2億円分の資産を相続した場合、賃貸住宅は納税額が1,220万円と現預金の約4分の1で済むという。みずほ総研は節税対策で賃貸住宅の着工件数が年1万5千戸押し上げられるとみる。  賃貸物件には介護などが受けられる「サービス付き高齢者向け住宅」も含まれ、市場の拡大につながっている。同住宅の登録戸数は5月末までの1年間で3万6,666戸(33%)増えた。  13年度の都道府県別の賃貸住宅着工は東京都が6万2,000戸強と全体の約17%を占め、大阪府や神奈川県が続く。増加率でみると、被災地の宮城県のほか高知県、徳島県も伸びが高く、勢いは地方にも広がっている。

日経 2014年06月30日朝刊

 

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