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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

ゼロエネ住宅一斉販売 ミサワ、全戸切り替え パナホーム、85%に導入

 住宅大手がエネルギー消費が実質ゼロとなる省エネ住宅「ゼロエネルギー住宅」の販売に乗り出す。高性能の断熱材などで消費エネルギーを減らし、太陽光発電でまかなえるようにする。ミサワホームは2017年度に販売する全戸をゼロエネ住宅とし、パナホームも18年度に85%にする。環境負荷を減らせる一方、消費者にとっては家計の節約にもつながる。  昨年度のゼロエネ住宅の販売戸数は住宅大手10社合計で1万〜2万戸程度にとどまっている。今後、各社が一斉に販売の重点を置くことで、20年度までに10社で5万戸以上に増える見通しだ。  ゼロエネ住宅にするには断熱材のほか省エネタイプのエアコンや給湯器、照明などを導入する。このため通常の住宅と比べて250万〜300万円の追加費用が必要だ。これとは別に太陽電池が工事費込みで150万〜200万円かかる。光熱費の節約や売電収入によって、長期的に追加の費用を回収する。  ミサワホームは17年度には販売する住宅のすべてのタイプをゼロエネに切り替える。まず今春から30代など比較的若い消費者を対象とする価格が低めの住宅ではガラス繊維の密度を高めた高性能の断熱材を使用し、太陽電池も標準搭載とした。  同社は年間8千戸を販売しており、14年度のゼロエネ住宅の受注数は66戸と1%に満たなかったが引き合いが強いことから切り替えを進める。  14年度はゼロエネ住宅がほぼゼロだったパナホームは、パナソニック製の太陽電池「HIT」や蓄電池を組み合わせた新たな住宅の販売を強化する。同社の試算では築20年の住宅をゼロエネ住宅に建て直すと、年間の光熱費は約7万円と、5分の1に減らせる。太陽光でつくった電気を電力会社に売電すれば、年間の光熱費を上回る13万円の収入が得られるという。  積水ハウスも16年度に受注棟数の70%をゼロエネ住宅にするほか、積水化学工業も20年度に過半をゼロエネ住宅にする目標を掲げる。  経済産業省は年間約40万戸の戸建て新築住宅のうち、20年に半数以上をゼロエネとし、30年に全戸平均でゼロエネとする目標を掲げている。ゼロエネ住宅は発電能力5kw程度の太陽電池を載せるため、20万戸で原発1基分の発電能力に相当する。住宅でつくった余剰電力の買い取り制度開始を機に太陽電池の値下がり加速も追い風になる。 【ゼロエネルギー住宅/省エネ徹底し太陽光発電】 ▽…家庭内の電気やガスを使って消費するエネルギーと、屋根に設置する太陽光発電で生み出したエネルギーを差し引き、年間のエネルギー消費量を実質ゼロとする住宅。ゼロエネルギー住宅を「ZEH」とも呼ぶ。米国や欧州連合(EU)など各国でもゼロエネ住宅の普及を進めるための法整備が進んでいる。 ▽…ゼロエネルギー住宅の実現のためには、省エネにつながる建材や設備を採用することが必要となる。住宅の壁に気密性の高い断熱材を使用して室内の温度を保ち、給湯器や冷暖房設備も高性能の製品を使う。新築の戸建て住宅の太陽電池の搭載比率も近年では増加しており、ゼロエネ住宅を実現しやすくなっている。エネルギー消費量をグラフなど一目で見られるようにするエネルギー管理システム(HEMS)の活用もゼロエネの推進につながる。一方で屋根の形状や向きで太陽電池の設置が不向きな住宅のほか、冬場に暖房の使用量が多い寒冷地ではゼロエネの達成は難しいとの指摘もある。 ▽…調査会社の矢野経済研究所(東京・中野)がまとめた2020年度のゼロエネ住宅関連の主要設備の市場規模は1兆1千億円と、15年度に比べて24%増える見通し。太陽電池の設置や燃料電池を設置する新築住宅が今後も増加するとみられている。

日経 2015年09月20日朝刊

 

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