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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

既存家電、HEMSに連動 グラモの端末、赤外線対応 電力需要応じ自動制御

 家庭用電力管理システム(HEMS)の実用化に向けて家電の動きを制御する端末を開発する動きが加速している。インターネットを使った家庭向けサービスのグラモ(埼玉県新座市、後藤功社長)は太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)などを導入した住戸で、エネルギーの需給に合わせて、赤外線通信で家電を操作する装置を開発した。既存の機器にも導入しやすい点を武器に家庭内の電力最適化を早期に実現する。  太陽電池の発電量のほか、EVや蓄電池の残量などを管理するHEMSが外部に置いたサーバーに家電の動きを制御する信号を送る。サーバーからグラモの開発する家庭用端末に信号が届き、家電を制御する赤外線信号を発する仕組みだ。  例えば、EVの充電で電気を使っているときにはエアコンの設定温度を、電気使用量が少なくなるように変更したり、太陽光が多く電気を作っているときに電気給湯器の湯を沸かしたりなどの操作が自動でできる。  HEMSのほか、スマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)などに備わる全地球測位システム(GPS)などの機能と連動した家電制御の仕組みもできるようにする。事前に、自宅近くの決まった場所をチェックポイントに設定しておくと、その場所を帰宅時に通ったとき、自宅のエアコンを自動で動かし始めるなどの使い方が可能だ。  同製品の開発は大手企業も支援する。これまでに大手自動車と通信の2社がそれぞれ1,000万円強の開発費をグラモに投じている。両社はサービスが完成すれば、自らの持つHEMSと連携するなどで、自社サービスの付加価値向上に使う方針だ。  家庭でのエネルギー利用の最適化をはかるHEMSだが、既存のエアコンや照明など家電の多くには近距離通信で機器を制御する仕組みがない。このため、通信用の機器を追加で設けることが必要で、導入の負担になっていた。  グラモは昨年7月から、米アップルの「i Phone」を使って外出先から家電を遠隔操作できるサービスを始めた。 「i Remocon(アイリモコン)」と呼ぶグラモが開発した端末を部屋に置き、i Phoneの操作情報をサーバーから受けると赤外線信号を発して家電を制御する。大手家電量販エディオンの店頭やネット通販で一般利用者に2万5,000円前後で販売しており、これまでに3,000台程度の販売実績がある。 標準通信規格の策定進まず 「普及済み」の方式狙う  家庭用電力管理システム(HEMS)に連動して家電を制御する技術開発を巡っては、経済産業省が昨年11月、HEMSの規格標準化を目指す検討会を設置。家電機器やスマートメーターが相互にやり取りする制御データなどの通信規格の標準化を後押ししている。  ただ、現時点では日本が策定した通信規格「ECHONET(エコーネット)」や近距離無線通信規格「ZigBee(ジグビー)」、無線LAN(構内情報通信網)など様々な通信手法を使ったプロジェクトが複数進行。併存している段階にとどまっている。  たとえ規格の標準化が早期にできたとしても、エアコンなど耐久性の高い家電の買い替えはそう簡単には進まないだろう。一方、HEMSや太陽光発電を搭載する「スマートハウス」の普及に商機をうかがう事業者にとって、連動する家電が無ければHEMSの魅力は半減する。  グラモが打ち出した戦略はすでにエアコンやテレビ、照明機器などのリモコン操作用に搭載されている赤外線通信を使うというもの。現在、開発されている次世代規格と異なり、双方向性がなく家電製品が実際に指示通りに動いたかどうかが確認できないため、大手がやらない方式だった。  だが、太陽光発電などの動きに簡単に家電を連動できるため、住宅大手やマンションデベロッパー、通信、オーディオ機器などの企業から技術提携の声がかかったという。アライアンスの誘いはのべ30社にのぼる。  次世代規格の策定とそれに対応した家電製品の登場までをつなぐ技術として注目を集めている。

日経 2012年02月02日朝刊

 

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