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住まいや生活資金 配偶者保護手厚く 相続の民法改正案衆院可決

 相続分野の規定を約40年ぶりに見直す民法改正案など関連法案が19日、衆院本会議で可決、参院に送付された。高齢化が進むなか、残された配偶者が住まいと生活資金に困らないよう、保護を手厚くする。配偶者が自身が亡くなるまで今の住居に住める「配偶者居住権」の創設が柱だ。今国会での成立をめざす。ただ、対象を法律婚の夫婦に限定したことに異論も出ている。  衆院を通過したのは民法と家事事件手続法の一部を改正する法案だ。残された配偶者が今の家の所有権を持たずに住み続けられる権利や、遺産分割とは別に住居の贈与を受ける制度で預貯金など他の遺産の取り分を増やし、老後の生活資金を得やすくする。  現行制度でも配偶者は住居の所有権を得ればそのまま住み続けられる。ただ、住まいを確保するために所有権を得ると、預貯金などの取り分が少なくなり、生活資金に困窮する可能性があった。  遺言がなく配偶者と子1人で遺産を分ける場合、配偶者と子の取り分は各2分の1だ。遺産が評価額2千万円の住居と預貯金3千万円のケースで考えると2,500万円ずつになる。残された配偶者が今の住居に住み続けるために住居の所有権を得ると、預貯金は500万円しか得られない。  一方、新設する配偶者居住権は売却の権利がなく、評価額も所有権より低くなる。居住権の評価額が1千万円だったと仮定すると、居住権を得た配偶者の預貯金の取り分は1,500万円に増える。婚姻期間20年以上の夫婦で、住居を生前贈与するか遺産で贈与の意思を示せば住居を遺産分割の対象から外せる優遇措置を設ける。実質的に配偶者の取り分は増える。  介護や看護に報いるため、息子の妻など相続人以外が義父母などを介護していた場合、相続人に金銭を請求できるようにする制度も設ける。  検討課題は残る。配偶者の生活を保障する新たな制度が、法律婚の夫婦に限定されたためだ。衆院法務委員会で採択された付帯決議は「多様に変化する家族のあり方を尊重し、保護のあり方を検討する」と明記した。  生前に書く自筆証書遺言を全国の法務局で保管する制度を創設する法案も19日の衆院本会議で可決された。従来は自宅で保管するか、弁護士や金融機関に預けていたが、自宅での保管では改ざんや紛失の恐れもあり、被相続人の死後に遺言の所在がわからなくなる可能性もあった。  家庭裁判所で相続人が立ち会って中身を確認する「検認」を不要にし、財産目録をパソコンで作成可能にするなど利便性を高める。

日経 2018年06月20日朝刊

 

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