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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

野村不動産買収 日本郵政が検討 TOB、数千億円規模に

 日本郵政が、不動産大手の野村不動産ホールディングス(HD)の買収を検討していることが分かった。株式公開買い付け(TOB)を実施し、買収額は数千億円規模となる見通しだ。関係者によると、野村不動産HDの発行済み株式の33%超を握る証券最大手の野村ホールディングスと既に交渉に入っている。  低金利下で金融事業の利ざやが縮小するなど、日本郵政の経営環境は悪化している。野村不動産HDを傘下に収めることで、不動産の開発事業を強化する。全国の約2万4千局の郵便局や遊休地など、保有する不動産を活用して、収益力を高めるのが狙いだ。  買収が実現すれば、野村不動産HDは日本郵政が保有する駅前の一等地などを活用したマンション建設や再開発が可能になる。  日本郵政は「新たな資本業務提携についてさまざまな可能性を検討している」とのコメントを発表した。  日本郵政は、野村不動産HDの議決権の過半数を取得し、子会社化したい考えだ。野村不動産HDの時価総額は12日時点で約3,900億円。 【解説】日本郵政、野村不動産買収へ 不動産収益の柱に ●日本郵政が野村不動産ホールディングス(HD)の買収を検討しているのは、不動産事業を収益の柱に育てる狙いがある。少子高齢化で国内の郵便・物流事業は大きな伸びが見込めず、海外物流事業では巨額損失を出した中、経営の軸になる事業の育成が急務となっていた。買収で一気に不動産開発のノウハウを取り込む。  日本郵政は各地で商業ビルなど不動産の開発を進めている。東京駅前の「JPタワー」をはじめ、JR名古屋駅やJR博多駅といった一等地に商業施設を構え、住宅事業も手がけている。  ただ今後、不動産事業を本格的に拡大するには、専門的な知識や経験を持った人材が不足している。野村不動産HDは都市部の商業ビルや分譲マンションなどの不動産ビジネスを幅広く展開しており「買収対象として最適だ」(日本郵政関係者)と判断した。  ただ成果を急ぐあまり、評価額が過大になれば、オーストラリアの物流会社トール・ホールディングスを高値で買収し、結果的に多額の損失を計上したのと同じ轍(てつ)を踏みかねない。経営陣には慎重な対応が求められる。 ●日本郵政  日本郵政グループの持ち株会社で、郵便・物流や金融事業の経営戦略を担っている。子会社に日本郵便、ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険を抱える。2007年10月の郵政民営化で誕生し、15年11月にゆうちょ銀、かんぽ生命とともに3社で株式の同時上場を果たした。傘下に収めたオーストラリアの物流会社の業績不振で巨額の損失を計上し、17年3月期決算の純損益は400億円の赤字を見込む。 ●野村不動産ホールディングス  東証1部上場の不動産大手。1957年に証券大手の野村証券の新社屋を所有・管理する会社として創業。大規模なニュータウン開発に参入し、マンション分譲やオフィスビルなどの開発に手を広げた。現在は持ち株会社体制になっており、高級分譲マンション「プラウド」シリーズで知られる。17年3月期の連結売上高は5,696億円、純利益は470億円。

中日 2017年05月13日朝刊

 

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