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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

REIT指数 高値 2カ月ぶり水準 割安、海外から資金

 不動産投資信託(REIT)に資金が流入している。28日の東証REIT指数は前週末比1.5%高の1,991.52ポイントと、約2カ月ぶりの高値を付けた。年初に欧米金利の上昇を受けて急落したが、米金融政策の不透明感も薄れ、投資家心理が和らいでいる。海外投資家が新年度の上昇を見込み、先回り買いしているとの見方もある。  2月末比ではケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人や大和証券リビング投資法人がそれぞれ13%高、三菱地所物流リート投資法人が11%高だ。1〜2月に売り込まれた銘柄が足元で反転上昇している。  REITは1月に急落した。不動産購入のために借入金を多く抱え、金利が上がると利払い負担が増す。欧米で金利先高観が強まり、他の利回り商品と比べた投資妙味が薄れた。主要投資家である地銀などが持つ外国債券の損失が膨らみ、決算前にREITの利益確定売りを急いだとの見方もある。  足元では国内勢の売りも一巡した。3月期決算が多い国内金融機関は4月に入ると新規投資の資金を振り向けやすい。「ウクライナ情勢や米金融政策の警戒感が和らぎ、海外勢が上昇を見込んで先回り買いを入れている」(みずほ証券の大畠陽介シニアアナリスト)  割安感もある。東証REIT指数は2021年末比では4%安と、S&P先進国REIT指数(円建て)の0.5%安(25日時点)に比べて出遅れている。QUICKによると、株式のPBR(株価純資産倍率)に相当する市場全体のNAV倍率は足元で1.06倍と、データを遡れる14年以降の平均(1.19倍)を下回る。  国内では新型コロナウイルス対策の「まん延防止等重点措置」が解除された。「経済活動がスムーズに再開すればオフィス型やホテル型の回復も期待できる」(岡三証券の並木幹郎シニアアナリスト)との指摘が出ていた。

日経 2022年03月29日朝刊

 

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