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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

東証REIT指数 1年ぶり高値 ホテル・オフィス型 活況 地銀など、経済回復見越す

 東京株式市場でホテルやオフィス物件で運用する不動産投資信託(REIT)の値上がりが目立っている。30日の東証REIT指数は反発し、1年1カ月ぶりの高値を付けた。新型コロナウイルスのワクチン接種が進めば観光やテナント需要が復調して組み入れ物件の収益が拡大するとの見方から地銀などが買いを入れている。  東京証券取引所に上場する銘柄の年初からの上昇率をみると、1位はインヴィンシブル投資法人(27.5%高)、2位は星野リゾート・リート投資法人(27%高)とホテル物件を組み入れるREITが上位を占める。  3位はいちごオフィスリート投資法人(26.6%高)、4位は投資法人みらい(25.9%高)とオフィス型も上位。こうした銘柄がけん引し、30日の東証REIT指数は前日比16.27(0.8%)高の2,014.60と、2020年3月6日以来の高値を付けた。  「海外観光客の回復や空室率の低下など、経済本格回復を先回りした買いが入っている」とみずほ証券の大畠陽介シニアアナリストは話す。ホテルやオフィス型REITは、住宅や物流施設を組み入れるREITに比べて出遅れがちだったが、先行きの業績拡大を見越した買いが入っているという。  主要な買い手である地銀の買い意欲も回復している。東証REIT指数はコロナ禍の昨年3月19日に前日比2割近く急落した。SMBC日興証券の烏井裕史シニアアナリストは「地銀は過去1年間のリスク量を投資判断に生かしており、1年が経過した現在は投資しやすくなった」と話す。  ある大手地銀の運用担当者は「割高感のある一部の物流型を除き、REITは低金利環境の中で利回りを十分にとれる有力な投資先」とみて買いを入れている。相場はほぼ一本調子で上昇してきただけに今後は伸び悩むとの見方もある。SMBC日興証券の烏井氏は高値を追うには「REITの収益が本格的に伸びて増配が実現することが条件」とみる。

日経 2021年03月31日朝刊

 

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