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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

県内基準地価の概要(価格は1平方m当たり) 回復途上 残る不透明感 西部

 21日発表の県内基準地価は住宅、商業、工業地の全用途で下落が続いたものの、前年に比べて下落幅は縮小し、新型コロナウイルス感染拡大による影響から回復基調にあることをうかがわせた。ただ、住宅地は利便性の高いエリアで地価が上昇に転じた地点が増加した半面、商業地は中心市街地などで回復のスピードはやや遅く、先行きに不透明感が残る。各地の動向や売買例を地元不動産関係者に取材した。 西  部 中心街の需要低調 浜松 新所原周辺は人気 湖西 駅近く2学区堅調 掛川 浜松市 【中・東・西・南区】 商業地の平均変動率は、中区がマイナス0.8%、西区が同1.9%だった。JR浜松駅周辺の中心市街地の需要はコロナ禍で全般に低調。飲食配達などの業種から店舗の引き合いがある。東区は0.8%上昇。国道152号など主要道路沿いの需要は根強いが物件が少ない。住宅地は中区が0.1%上昇でほぼ横ばい。東、西、南各区の下落率は縮小した。人気エリアは依然強含みで、西区大平台は12万円程度。分譲地が整備される中区高丘西は10万円前後。南区は北側エリアで動きが出始め、三島町や本郷町で7万5千〜10万円。 【北区】 住宅地は1.6%、商業地は2.0%の下落。市街地へのアクセスが良く、地盤が強固な三方原地区は商業地で6万円台の取引があったものの、土地物件数は年々減少している。細江町では商業地で5万円台の売買実例がある。ただ、旧引佐郡は三ケ日町で1万円台のところもあるなど、全体的に低調な取引が続く。 【浜北区】 住宅地は0.6%下落。遠州鉄道駅や大型商業施設などが近い地区に人気が集中している。小松は5万〜6万円台で売買され、貴布祢は10万円の取引が成立した。小学校が近い中瀬、西美薗の両地区も6万円台後半から7万円台で引き合いがある。周辺部の根堅、宮口は4万円台でも人気が低い。商業地や工業地の商いは乏しい。 【天竜区】 住宅地は3.4%、商業地は2.2%といずれも下落した。最も引き合いのある区画整理地区の船明は2万円前後の地価が人気の要因。子育て世代に加え、北遠からの高齢の移住者が増えている。西鹿島駅周辺は5万〜6万円台で安定しているが、宅地が限られるため取引は少ない。商業地は、まとまった土地がなく引き合いは乏しい。 湖西市 住宅地は1.7%の下落。大手製造企業が複数立地するJR新所原駅周辺は依然人気がある。駅から徒歩圏内の梅田で9万円台の売買があった。沿岸部の新居町新居では4.9%の下落。物件は残っていて、1万円台の取引が盛ん。安価に取得した後、借家や建売住宅のための活用が目立つという。 掛川市  住宅地は1.3%下落したが、前年より下げ幅は縮小した。JR掛川駅から徒歩圏内の中央小と第一小の学区の引き合いが強く、中央と亀の甲でいずれも7万円台半ばの取引があった。久保は6万円台後半。大規模な宅地開発があった下垂木は需要が一服した。商業地は1.7%の下落。駅北では飲食店の撤退が散見されている。 菊川市 御前崎市  新規出店など変動要因は少なく、売買は低調。菊川市の住宅地は0.9%下げた。JR菊川駅北側の柳、潮海寺で5万〜6万円台と、中心部で一定の需要がある。加茂でも宅地造成が行われている。御前崎市の住宅地は1.7%の下落で、調査4地点の平均価格は県内市町で2番目に低かった。中心部の池新田で3万円台の取引があった。 磐田市  住宅地は0.7%、商業地は1.7%それぞれ下落した。JR磐田駅北側の中泉、国府台は引き 合いが強く、公共施設に近い中心部で7万円台半ばの取引。東名インター南側で商業店舗が集積する見付地区北部、高台の富士見町も堅調な売買が続く。今後の街並み形成が注目される御厨駅周辺は、需要の一方で物件供給は限定的。 袋井市 森町  袋井市は住宅地が1%の下落。JR袋井駅徒歩圏の方丈や睦町は人気が高い一方、沿岸部の湊は4%、北部の川会は1%下落。市街地と郊外の価格差は拡大傾向。栄町で5万7千円台の取引があった。森町の住宅地は1.5%下落。利便性の高い中心部は人気が根強い。南町で3万9千円台、栄町で2万8千円台の売買実例。

静岡 2021年09月22日朝刊

 

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