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REITで大規模開発 ヨシコン 物流資産に投資 東海道圏内で収益循環狙う

 ヨシコンが投資対象を静岡県内などに絞った不動産投資信託(REIT)「東海道リート投資法人」をテコに大規模開発を進めている。物流と工場の一体化の流れや中部横断自動車道の開通など、対象エリアでの大規模開発のニーズの高まりを追い風にする。地方での開発や投資の呼び水となるリート案件を増やすことで、エリア内で収益を循環させる狙いもある。  リートとは、投資家から集めた資金を不動産に投じ賃料や売却益を分配する仕組み。ヨシコンが中心となって2月に設立した東海道リート投資法人は、東海道と周辺エリアを主な投資対象とする不動産投資法人。なかでも静岡県と愛知県、三重県の3県への投資比率を60%以上とする。  6月に東証に上場した。資産運用会社への出資や人材支援、物件情報の提供などで協力するスポンサーとして、静岡銀行や静岡ガス、鈴与など8社が名を連ねる。  東海道リート投資法人は現在、住居系資産4件、底地資産1件、産業ビジネス資産2件、物流資産1件の計8件を対象に運用する。ヨシコンの吉田尚洋社長はこのうち特に物流資産に注目。物流資産を中心に新規案件を開発中で、「リートの資産規模を現在の303億円から早期に500億円にしたい」と目標を語る。  物流と工場の一体化の流れや中部横断自動車道の静岡−山梨間の全線開通など、東海道エリアでは大規模開発のニーズが高まっているとも指摘。「山梨県や長野県の製造業や物流業と組めば、開発の蓋然性を投資家に説明しやすくなる」(吉田社長)と期待する。  物流センターなどの大型施設の新設事業はこれまで静岡県内の一企業だけでは請け負えず、大手デベロッパーが進出し東京など都市部に利益が流れる要因の一つだった。さらに日本のリート市場で扱う不動産はオフィスと商業施設で全体の6割を占め、地方では開発にリートを活用しにくい側面もあった。今回は地域を限定することで、リートで得た収益を域内循環させる狙いがある。

日経 2021年11月26日朝刊

 

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