マンション開発大手の大京は、新築分譲マンションの駐車場に電気自動車(EV)の充電設備を標準で採り入れる。2023年秋以降に完成する新築物件が対象になる。脱炭素を見据えてEV需要は伸びる見通しだが、充電設備の不足が課題となっている。新築物件から対応し、他社物件との商品力の差にもつなげる。
自社物件の「ライオンズマンション」で採り入れる。EVの充電コンセントや、コンセントの増設が可能な配管を備え付ける。駐車場の区画の50%に充電コンセントを設置し、残りの区画は増設可能な配管を設ける。開発物件の駐車場のすべてにEVの充電インフラを整備するのは、マンション業界で初めてとみられる。
居住者はソフトバンク発のスタートアップ企業、ユビ電(東京・渋谷)が開発したシステムを使う。利用者は充電器に貼られたQRコードを読み込み、スマートフォンアプリを通じて車両情報やクレジットカード情報、選んだ料金プランを登録する。充電料金はアプリに登録したクレジットカードから引き落とされる。
200ボルトのコンセントで1時間で3.2kW時相当を充電できる。ベーシックプランは月額基本料金が無料で1時間ごとに176円かかる。月額基本料金が有料のプランは基本料金の部分が大きくなるほど、定額で充電できる電力量が増える。
EVの普及が急がれるなかで、国内では充電設備が不足している。大京は自社のマンションに手軽に充電できる設備を整え、入居者の獲得につなげる構えだ。
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