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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

5年債 利回り上昇 6年ぶり水準 日銀緩和修正に思惑

 1日の国内債券市場では幅広い年限の国債利回りが上昇(債券価格は下落)した。新発5年物国債は前日比0.015%高いマイナス0.005%と約6年ぶり高水準を付け、節目のゼロ%に接近した。日銀が金融緩和を修正するとの思惑による債券売りが続いている。注目が高い10年債入札が好調でも売りが止まらず、金利上昇圧力の強さがうかがえる。  債券売りの直接のきっかけは、1月28日に国際通貨基金(IMF)が日銀に対して、長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)でゼロ%に誘導する対象としている国債を、10年債から短期化することを提言したことだ。海外勢を中心にイールドカーブ(利回り曲線)の急勾配(スティープ)化を見込んだ取引が膨らんだ。  市場参加者が誘導対象の候補とみなす5年債利回りはマイナス0.005%と、日銀がマイナス金利政策を決めた2016年1月29日以来の高水準となった。超長期債も売りが出て20年債は0.020%高い0.580%、30年債も0.020%高い0.795%とともに18年12月以来の高水準を付けた。  この日の業者間市場で相対的な底堅さを見せたのが長期金利の指標となる新発10年物国債だ。財務省が1日実施した10年債入札は最低落札価格が市場予想を上回った。前日に利回りが6年ぶり高水準を付けた影響で、国内勢を中心に買いを集めた。入札結果を受けて午後の市場では一時前日比で利回りが低下に転じる場面もあった。  もっとも10年債の利回りも超長期債や5年債の売りに押される形でその後に上昇に転じた。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは「好調な10年債入札でも金利上昇が止まらないほど市場の雰囲気が悪い。米国の金利低下や日銀の臨時の国債買い入れオペ(公開市場操作)などがない限り、しばらく軟調な展開が続くだろう」と指摘している。

日経 2022年02月02日朝刊

 

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