磐田市は27日、沿岸部で整備する海岸防潮堤の完成時期について、昨年の見直し計画公表からさらに3年前倒しの2026年度を見込むと発表した。市内の海岸線総延長約11kmの本年度末の防潮堤整備進捗(しんちょく)率は約31%にとどまるが、南海トラフ地震発生の切迫性や地元の早期完成の要望を受けて急ピッチで進める。
市の防潮堤は、県の第4次地震被害想定の最大津波高に合わせて海抜14mまでかさ上げする計画。前倒しの主な理由は、沿岸部への大型ダンプ進入路の増設が可能になり盛り土搬入量増加が見込めることや、松の伐採の調整で事業終盤に予定していた東端の福田漁港周辺エリアの整備着手が早められるため。
市によると、必要な盛り土は整備事業者との調整で確保済み。本年度から事業終了時までに投入予定の約105億円(市分の総事業費約137億円)は、市債に加え、昨年のスズキからの28億円をはじめとする企業・個人からの寄付金などを積み立てた市津波対策事業基金(20年度末の残高35億円)を活用する。
市の防潮堤整備は県と連携して14年度に着手した。当初33年度までの整備計画を昨年9月に4年の前倒しを公表していた。
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