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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

オフィス賃料、上昇続く 都心部 2月、50ヵ月連続に 大型ビル入居順調

 東京都心部のオフィスビル賃科が上がり続けている。平均募集賃料は2月まで50カ月連続で上昇し、2009年10月以来の高水準を記録した。新築の大型ビルの入居企業が順調に決まり、都心部全体で空室が少ない状況が続く。  2月に完成した「東京ミッドタウン日比谷」(東京・千代田)。地下鉄日比谷駅に直結する大型複合ビルで、オフィス部分はすでに満室に近い。  新日本監査法人やEY税理士法人などで構成するEY Japanも同ビルに9月までに入居する。2カ所のビルに分かれていたオフィスを統合し「業務効率や顧客の利便性を高める」狙いだ。  仲介大手の三鬼商事(東京・中央)が8日発表した東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の2月時点の平均募集賃料は3.3u当たり1万9,500円。 1月と比ベ162円(0.84%)上がった。空室率は3.03%と0.04ポイント低下。需給均衡の目安とされる5%を大幅に下回り、「顧客に紹介できる空きビルが足りない」(仲介業者)。  供給は増えている。不動産サービス大手JLL(東京・千代田)によると、都心部で今年完成する大型ビルの面積は17年の3倍の60万uに急増する見通し。それでも完成前に入居企業が次々と決まるビルが多い。  5月に完成する「msb Tamachi 田町ステーションタワーS」(東京・港)にはユ二−・ファミリーマートホールディングスが入居を決めた。現在は東京都豊島区に本社があり、来年2月に移転する計画。 新本社は東海道新幹線が停車する品川駅が近い。 傘下のユニーの本社も今年10月に名古屋駅近くの大型ビルに移る予定で、両拠点間の移動をしやすくする狙いがある。  新築ビルヘの移転で、既存ビルには空室も生まれる。ただ千代田区や港区では「ビルに入居する別の企業が空室を借り増す事例が多い」(三幸エステートの今関豊和氏)。業績拡大で従業員を増やし、オフィスが手狭になる企業が増えている。  もっとも、企業のオフィス需要は主要駅近くの物件に集中する。湾岸部のように交通利便性がやや劣るとされる地域では新規の入居企業がなかなかみつからない場合もある。こうしたビルは今後、賃料の下落圧力が強まりそうだ。

日経 2018年03月09日朝刊

 

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