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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

物流施設、高速道接続 促す 国交省が無利子融資制度 民間の道路整備対象

 高速道路から物流施設に直結する道路整備を促すため、国土交通省が民間企業に費用の一部を無利子で貸し付ける制度をつくる。ネット通販の拡大で物流施設の需要が増えるなか、高速道路に近い倉庫を資金面で支えることでモノを迅速に運べるようにする。物流網として重要な道路を指定したうえで、輸出入に使う大型コンテナ車の通行許可も不要とし、物流の生産性向上につなげる。  今通常国会で道路法の一部を改正し、それぞれ2018年度内にも制度を新設する。  無利子貸付制度は、高速道路から物流施設に直結する道路を新設する民間企業への融資が対象になる。高速道路に専用の出入り口を新たに設け、荷物を積んだトラックなどがスムーズに行き来できるようにする。  民間企業が施設までの道路整備費を負担する一方、インターチェンジの料金所はそれぞれの地域の高速道路会社が整備する。民間企業が道路を整備した後は地域の自治体に無償で譲渡して維持管理する。  国交省が地域の自治体を通じて民間企業に融資する仕組みにする。物流施設の新設を希望する民間企業が自治体を経由して国交省に申し入れると、数億〜20億円規模とされる整備費の4分の1を無利子で貸し付ける。償還までの期間は20年以内にする。  国交省によると、大型の物流施設はこの5年間で約90件増の約1,500施設に上り、なかでも高速道路の近くに建設する傾向がみられる。物流施設の開発を手がけるシーアールイーが2年前に竣工した「ロジスクエア久喜」(埼玉県久喜市)は東北自動車道と圏央道のインターチェンジから、それぞれ3キロメートル圏内にある。  ネット通販の急速な拡大によって宅配便は年間40億個規模に増えた。顧客宅への配送時間も短くなり、多くのモノを効率的に運べる場所に物流施設を整備することが一段と重要になっている。国交省幹部は「道路法に物流活性化の視点を入れるのは初めてになる」と指摘する。  輸出入に活用している大型コンテナ車に対する規制も緩和する。まず国交相が安定的な輸送網を確保するため、高速道路や国道の一部を「重要物流道路」に指定する。港湾から物流施設にモノを運ぶ40フィート級の大型コンテナ車は現在、走行するたびに国交省の傘下にある地方整備局に許可を申請している。重要物流道路を走るコンテナ車については認可を不要にする。  大型コンテナ車に関しては年間30万台が許可を申請しているが、10年後には半減することをめざす。世界経済の回復もあってアジアなどとの貿易は拡大傾向にある。これに伴いコンテナ車は年々大型化が進んでおり、新しい制度によって大量のモノを一度に運びやすくする。

日経 2018年02月22日朝刊

 

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