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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

IoT住宅へリフォーム LPガス販売のエネジン 家電の遠隔操作/消費電力見える化 利便性向上・省エネ

 LPガス販売のエネジン(浜松市)は、あらゆるものがネットにつながる「IoT」を採り入れた住宅リフォーム事業を始める。家電の遠隔操作や消費電力の見える化などを通じ、利便性向上や省エネにつなげる。コロナ禍で在宅時間が増えたなか、サービス内容を拡充し、堅調なリフォーム需要を取り込む。  インターネットに接続できるエアコンや給湯器など家電、太陽光パネル、蓄電池など、様々なIoT設備をパッケージにして販売する。ガスや水回りの改修を中心とした従来のリフォーム事業からサービスの幅を広げる。  核になるのはパナソニックのIoT管理装置「AiSEG(アイセグ)2」だ。家庭全体の消費電力を画面上に見える化するほか、家電をスマートフォンやスマートスピーカーで操作できるようにする。太陽光発電は気象予報などをもとにアイセグが自動で制御。大雨が予想されれば蓄電池に電力を通常より多くため込むなど、非常時に対応しやすい。  省エネや操作の時短など、目的に応じて4つのプランを用意した。基本プランは設置工事を含めて29万円から。家電や太陽光パネルなど一部の設備をすでに備えている場合はパッケージ価格から差し引く。水回りの改修や床の張り替えなど、その他のリフォーム内容も組み合わせられる。  営業企画部の匂坂幸治次長は「IoT化は省エネにつながる。昨今の電力の高騰や脱炭素化の流れを背景に、高い需要が見込める」と話す。矢野経済研究所(東京・中野)の調べによると、2021年の国内の住宅リフォーム市場は6兆9,000億円(速報値)で前年から約6%伸びた。新型コロナウイルス禍で在宅時間が増え、住環境の改善や省エネに関心を持つ消費者が増えているという。  エネジンのリフォーム事業の売上高は約7億円で会社全体の売上高の約10%を占める。社内に建築士を抱えており、設備交換などの小規模なリフォームだけでなく、バリアフリー化や、家全体のリノベーション(大規模改修)なども手掛ける。ただ近年は年間の受注件数が500件程度と横ばいで推移していた。「IoTを前面に押し出し、リフォーム事業をテコ入れしたい」(匂坂次長) エネジンはLPガスや太陽光などの事業で静岡県内に広い顧客基盤を持ち、リフォームの提案にも生かす。サービス開始は4月中を予定しており、IoT関連のリフォームだけで年間50件の受注を目指す。パッケージ内容は今後、需要をみながら拡充していく方針だ。

日経 2022年04月07日朝刊

 

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