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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

長期金利上昇、一時0.24% マイナス金利前水準 日銀許容の上限迫る

 国内債券市場で長期金利が上昇(債券価格は下落)している。指標となる10年物国債利回りは25日、一時0.240%まで上昇した。日銀がマイナスの政策金利導入を決定する前の2016年1月半ば以来となる水準となった。金融緩和を維持する日銀が上限とする0.25%程度に近づいている。  米連邦準備理事会(FRB)は16日に約3年ぶりとなる利上げに踏み切った。2月末に1.9%前後だった米長期金利は足元で2.4%前後まで上昇し、日本の長期金利も上がっている。  日本の財政悪化も金利の上昇要因だ。22年度予算の一般会計総額が107兆5,964億円となり、過去最高を更新した。補正予算案の編成も取り沙汰されており「追加の国債増発に多少関心が出てきた」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジスト)という。  市場では日銀が指定した利回りで無制限に長期国債を買い取る「指し値オペ(公開市場操作)」の実施に注目が集まっている。直近では2月14日に実施したが、日銀の指定利回りより市場金利が低かったため、金融機関からの応札がなかった。  日銀が指し値オペを実施すれば、金融引き締めを進めるFRBとの方向性の違いが鮮明になる。日銀は18日の金融政策決定会合で大規模緩和を維持した。米欧が金融を引き締める方向に動いても日銀の黒田東彦総裁は「日本が金利を引き上げる必要は全くない」との姿勢だ。  本来ならば米長期金利の上昇に連動して日本の金利も上昇するはずだが、日銀が長期金利を抑え込んでいることで日米の金利差は拡大しやすい。利回りが見込めるドルが買われ、外国為替市場ではドル高・円安が進みやすい。円相場は25日に1ドル=122円台半ばと約6年3カ月ぶりの安値をつけた。  指し値オペには、長期金利を低位で操作し緩和的な姿勢を強調するという狙いがある。実施されれば、円売り・ドル買いは一段と進むとの見方が多い。

日経 2022年03月26日朝刊

 

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