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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

コロナ禍から回復濃淡 県内公示地価 ※価格は1平方m当たり  22日発表の県内公示地価 西部

 22日発表の県内公示地価(1月1日時点)は住宅地、商業地で下げ幅が縮小し、工業地が前年の下落から横ばいになるなど、新型コロナウイルス禍からの回復傾向がうかがわれた。だが、住宅地は住環境に恵まれた駅周辺や幹線道路沿線の地域と、沿岸部や過疎地域との間では回復スピードや変動率が異なり、二極化が一層進んだ。各地の需給や取引状況を不動産関係者に聞いた。 遠鉄沿線で引き合い   浜松中区 東区 複合ビル効果に期待 掛川 西部 浜松市中、東、西、南区  住宅地は中区が0.2%、東区が0.4%それぞれ上がり、昨年のマイナスから上昇に転じた。遠州鉄道沿線は引き合いが強く、中区上島で12万円前後。東区和田町、原島町で9万円を上回る取引があった。アパート用地の需要も強い。西区は1.6%、南区は0.1%それぞれ下がったが下落率は縮小した。南区の沿岸部は依然として鈍いものの県道舞阪竜洋線より北側で活発化している。商業地は中、東区を中心に幹線道路沿いで復調の兆しがみられる。一方、JR浜松駅周辺は一部商業ビルの取引はあったが総じて低調が続いている。 浜松市浜北区  住宅地は0.3%上昇。遠州鉄道駅近辺の人気が根強い。小松では7万5千円の取引があった。西美薗も7万円台で引き合いがある。新興住宅地の染地台は10万円で売買が成立する。区画整理地区の中瀬は駅からやや離れているため6万円台の取引が中心。商業地は横ばいで商いは乏しい。1.1%上昇の工業地は土地が少ない。 浜松市北区  住宅地は1%下落。旧引佐3町では買い手がつかず、細江町気賀では4.2%の下落があるなど三方原地区との間で地域差が広がっている。市街地へのアクセスが良く人気の初生町では8万1,600円と上昇した土地もある。企業進出などの影響もあり新都田は6万円台の取引があり堅調。工業地は1.2%上昇した。 浜松市天竜区  住宅地は2.4%、商業地は3.1%の下落。2万円前後の安価が受け、最も動きのある船明では子育て世代を中心に新築が増えている。天竜二俣や山東の宅地は引き合いが少ない。商業地はクローバー通りで新規出店が増加傾向。阿蔵山の市有地工業用地化の方針と接続道の着工予定が示され、活性化への期待感が高まっている。 湖西市  住宅地は0.3%、商業地は1.1%の下落。JR鷲津駅から続く商業エリアは人気だが、物件が少ない状況が続く。製造業の大規模事業所が複数立地するJR新所原駅周辺は引き合いが強く、ときわで9万円程度の売買があった。新居町の沿岸部では、建売業者が低価格の土地を求める動きがある。工業地は横ばいで供給が少ない。 掛川市  住宅地は0.7%の下落。前年より下げ幅は縮小した。亀の甲や下俣、久保など駅周辺の人気が高く、久保で7万円台後半の取引があった。沿岸部は下げ止まりの兆候が見られない。商業地は1.2%の下落で、駅周辺でも新規出店意欲は乏しい。駅前西街区で複合ビル建設工事が始まり、波及効果への期待が高まっている。 磐田市  住宅地は0.7%、商業地は0.6%それぞれ下落。中泉、国府台など中心部の宅地の需要は底堅い。東名高速道磐田インターチェンジ周辺の見付は交通アクセスや買い物環境の良さから注目され、一部で8万?9万円台の取引。開業2年が過ぎたJR御厨駅周辺は供給は限定的だが、利便性から引き合いが増えつつある。沿岸部は下落が続く。 袋井市、森町  袋井市は住宅地、商業地ともに0.4%の下落。利便性の高い葵町やJR愛野駅周辺は人気がある一方、物件が少ない。代わりに近隣地域の取引が活発で、川井、堀越で5万5千円台の売買実例。森町の住宅地は1.2%下落。価格の低下により遠州森駅周辺の引き合いは増えた。栄町で2万2千円台の取引があった。 菊川市、御前崎市  菊川市の住宅地は0.5%の下落で、四つの調査地点のうち堀之内は唯一の横ばい。JR駅北の柳や潮海寺、東名高速道のインターチェンジがある加茂の人気は堅調で、5万?6万円台が中心。御前崎市の住宅地は0.7%下げた。全体的に動きは鈍いものの、中心部よりやや外れた高松や佐倉で1万?2万円台の取引がある。

静岡 2022年03月23日朝刊

 

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