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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

中東遠 駅前路線価明暗 掛川4.2%↓ 磐田5%↑ 上昇・下落率ともに県内1位

 国税庁が1日公表した県内13税務署管内の最高路線価(1月1日時点)で、掛川市のJR掛川駅前が8年ぶりに下落、磐田市のJR磐田駅前が3年ぶりに上昇し、それぞれ下落率、上昇率のトップとなった。中東遠地域の2大都市の玄関口で明暗が分かれた格好だが、新たなまちづくりの動きもあり、専門家は今後の変動を注視している。  掛川市内の最高路線価は掛川駅北口を東西に走る市道「掛川駅梅橋線通り」で、前年比4.2%減の1u当たり11万5千円。磐田市内は磐田駅北口ロータリーの「市道中泉192号線通り」で5.0%増の同10万5千円だった。2010年は掛川が磐田を2万7千円上回っていたが、差が1万円に縮まった。  路線価は10万円を境にして端数処理方式が変わり、実際の変動以上に価格が上下しやすくなる傾向はあるが、日本不動産研究所浜松支所の不動産鑑定士松島芳知さん(50)は「両駅前の数年間の動向が数字として表れた」と説明する。  磐田駅北口は、北へ延びる通称「ジュビロード」の東側で区画整理が行われ、16年には駅前広場も刷新された。ヤマハ発動機をはじめ大手企業の拠点の最寄り駅で、ビジネスホテルが新たに開業したほか、徒歩圏内に新たな分譲マンションの建設も進む。  これに対し、掛川駅北口は1990年代にジャスコやユニーが撤退し空洞化が進行。15年にはスーパーを核とした地元資本の商業施設ができたものの、松島さんは「客足の流れは大きく変わっていない」と指摘する。  ただ、新しい動きも出ている。ジャスコ跡地で現在は駐車場となっている土地を3月に掛川信用金庫(現島田掛川信用金庫)が市土地開発公社から取得。金融店舗に飲食店、子ども館を加えた5階建ての複合施設を22年にも完成させる予定だ。松島さんは「都市機能の更新が始まりつつある」と分析し、既存施設との相乗効果に期待する。  東海道線の1日平均乗車人数(17年)は、新幹線が停車する掛川駅が約1万1千3百人で磐田駅の1.4倍に迫る。磐田駅前について松島さんは「今後は目玉となるトピックがなく、徐々に横ばい傾向に変化するだろう」と予想する。市東部に東海道線の新駅「御厨駅」が来春開業することも、人の往来に影響を及ぼすとみている。

中日 2019年07月02日朝刊

 

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