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スターツ AIで自動作成 土地オーナー向け賃貸計画 作業を大幅短縮 提案数増を狙う

 スターツコーポレーションは、賃貸住宅の建築計画と事業計画を人工知能(AI)を活用して自動作成するシステムを開発した。土地所有者や不動産投資家が賃貸マンションなどを建築する際、建物の規模や収支計画の作成時間を大幅に短縮。提案数を増やすほか、業務効率化につなげる。  土地所有者などが賃貸マンションなどを建てる際、建築規制やニーズを考えながら大まかな設計や間取りなどの建築計画を立てる。同時に、建築費や推定賃料などから収支計画も作成し、長期的に利益を出せるかどうかなどを判断する。  従来は役所で土地計画情報や規制情報などを調査し、建物を建てられる範囲を確認してから設計士が大まかな図面を作製。それをもとに担当社員が建築費や収入などを見積もり、収支計画や事業計画を作成していた。  スターツの新システムはインターネット閲覧ソフトで作動する。NTT空間情報(東京・台東)の地理情報データベースから規制情報を自動で取得するほか、設計には建設用ソフト開発のコンピュータシステム研究所(仙台市)の建築設計エンジンを活用。地図上で建築予定地を選択し、単身者向けや家族向けなどターゲットとする入居者層に合わせた簡単な間取りを入力するだけで、その土地の規制に合わせた建築計画を自動で作成できる。  AIは周辺物件の賃料や空室率と、自己資金、借入期間などの入力情報をもとに長期的な事業計画を作る。作成にはスターツが過去3年間に蓄積した約1,600件分の建築費データや、不動産仲介店舗「ピタットハウス」での過去2.5年間分の募集掲載データ、過去20年間分約31万4千件分の成約データを活用する。  新システムの導入で従来約150分かかっていた作業時間を15分程度に 短縮できる。役所を訪れたり設計士に依頼したりする手間も省ける。同社は5月にも新システムを導入する予定。人件費1億円の削減を見込む。土地の所有者なども迅速に的確な提案を受けられるメリットがある。スターツは同システムを将来的に同業他社にも提供する方針だ。

日経産業 2018年03月27日朝刊

 

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