浜松市を拠点にする一級建築士の白坂隆之介さん(38)が、中区鴨江の空き家を購入して改修し、建築事務所「リージョン・スタディーズ」を開業した。建物を住居兼事務所として使いながら今後、購入希望者に売却し、自らはまた別の空き家を探して改修して移り住む計画。貝殻を替えて成長するヤドカリになぞらえ、「ヤドカリプロジェクト」と名付けた事業モデルの確立を目指す。
白坂さんは浜松市内の高校を卒業後、京都大に進学。建築を学び、京都大大学院修了後に東京の建築設計事務所に就職した。2016年に独立し、住宅設計などの仕事をしながら夫婦で今月、鴨江の空き家に移り住んだ。
購入した空き家は築50年余りの木造平屋住宅で、自分で設計して改修した。
木の骨組みを残して劣化した部分を修繕し、リビングと事務所スペースなどを設けた。南側の大きなガラス窓から日光を取り込むようにし、リビングの床材は無垢のスギを使った。
「断熱性や耐震性を高め、良い家に仕上がった」と白坂さん。今後は四季を通じて住み心地を確かめた上で、購入希望者に転売したい考えだ。実現できれば別の空き家を探し、改修して移り住む「ヤドカリライフ」を続ける。「事業として成り立てば、ノウハウをほかの建築士にも広めたい。空き家の解消に頁献できれば」と思い描く。
24日から3月2日まで建物を公開し、25日午後2時からは住宅取得セミナーを屋内で開く。住所は鴨江3の35の25。問い合わせは白坂さん=電090(6242)0292=へ。
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