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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

FSC材 業者に供給 内装用に加工 キシルが店開設

 木製家具製造販売のキシル(浜松市南区)が、国際基準に沿って管理された森林の木材「FSC認証材」を、内装工事や木製品などの業者に供給する新サービスを始めた。天竜産のヒノキを中心に、これまで製品に使ってきた認証材をパネルやタイルに加工して販売し、付加価値の高い建材として普及を図る。  サービス名は「木曜日」で1月31日に専用の店舗を開設。「木で日々の暮らしを輝かせる」との意味を込めた。乾燥させて変形しにくくした幅69cm、長さ1.8mの「熟成ひのきパネル」(税別6,000円)や、装飾向けの10cm四方の「木タイル」(同5,000円)など6種類を取り扱い、ウェブサイトでも販売する。  専用店舗は中区佐鳴台5の直営店の倉庫約50uを改装。カウンターや棚の試作品のほか、輸送過程で傷物になった家具のアウトレット品も展示販売し、特注家具の相談も受け付ける。木材の加工はキシルの東工場(南区)で行う。業者向けで3年後に年間1億円の売り上げを目指す。  キシルは2002年に創業。学習机を中心に家具製造を木材の仕入れから行っている。15年にFSC認証材を扱う事業者に認定された。「森林保全の面でFSC認証の認知度は高まっているが、肝心の木材の流通はまだまだ少ない」と渥美慎太郎社長(49)。東京・吉祥寺や名古屋市に直営店を設けた際、内装に使う認証材が現地で手に入らず自社で用意した経験から、業者向けの供給に一定の需要があると考えた。  FSC認証材は、コーヒーチェーン大手スターバックスの日本法人が紙製カップに使ったり、五輪・パラリンピックの関連施設に採用されたりして、利用が世界的な潮流となっている。渥美社長は「認証材を使った店舗は、訪日客に好印象を与えられる。香りが良く『わび・さび』を感じられるメード・イン・ジャパンの木材として海外にも売り込みたい」と語る。  専用店舗の営業時間は午後1時〜5時半。土、日、月曜は休み。 【FSC認証】  森林管理と木材の加工・流通に関する認証制度。環境保全に配慮しつつ、切り出した木材や木製品の消費を促すことで持続可能な森林経営を支援する。ドイツに本部を置く森林管理協議会(FSC)が認定した第三者機関が審査、認証する。浜松市によると、市内の森林管理の認証面積は4万5,270haと国内の市町村で最大。加工・流通関係では建築を中心に2017年11月時点で79団体が認証を受けている。

中日 2019年01月28日朝刊

 

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