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三井不、再生エネ電力に転換 30年度までに 首都圏全120施設で

 三井不動産は2030年度までに首都圏の全約120施設で再生可能エネルギー由来の電力を本格導入する。一般家庭の約6万9千世帯分が年間に出す二酸化炭素(CO2)に相当する約12万トンを減らす。世界で再生エネ利用を重視する企業が増える中、不動産も脱炭素化が迫られている。  国立環境研究所によると、国内の19年度のCO2排出量のうち、オフィスや商業施設などの「業務その他部門」は全体の2割弱の約1億9千万トンだった。政府は30年度の温暖化ガスの排出削減の目標を13年度比46%に引き上げた。製造業だけでなく事務所などの削減が重要となっている。  三井不動産は首都圏に所有するオフィスビルや商業施設、ホテルなど約120施設の共用部の電力を再生エネ由来に切り替える。22年度までに東京ミッドタウン日比谷、コレド日本橋など25施設で先行して取り組む。  当面は東京電カホールディングス傘下の小売り会社などと連携し、化石燃料由来の電力でないことを示す「非化石証書」の電力を調達する。中長期には自前の再生エネ電源の活用も検討する。  約120施設の共用部の電力使用量は年3億kW時程度。証書の購入で電力の調達コストは年数億円増えるもようだが、自社でその分を吸収し、環境意識の高い外資系企業などを呼び込む。  共用部のほか、入居企業が使う専用フロアも希望に応じて再生エネの電力にする。4月からはテナントの仏BNPパリバや大和証券グループなど10社弱に提供を始めた。  米アップルが自社だけでなく、部品の供給企業にも再生エネの使用を促すといった動きが広がっている。オフィスや商業施設も再生エネの利用が入居の判断になっていく可能性もある。日本の不動産会社では、三菱地所が22年度をメドに丸の内地区で持つ約30棟の電力を再生エネにする計画などもあるが、海外に比べると対応が遅れている。

日経 2021年05月10日朝刊

 

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