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長周期地震動 予測10分の1 大成建設、計算短縮

 大成建設は、巨大地震発生時に高層ビルを大きく揺らす「長周期地震動」について、予測計算の時間を従来の10分の1以下に短縮できる技術を開発した。広域での地震動波及について簡易な計算モデルを採用。計算時間の効率化で様々なパターンの長周期地震動を設定した設計ができ、より地震に強いビルの建設に生かせるという。  「3次元FEM」と呼ばれる計算手法を改良し、大規模地盤と建物周辺地盤の2段階に分けて長周期地震動を予測する。数百〜1,000km四方の大規模地盤では、従来は実際の地盤を想定した3次元モデルを使って振動が伝わる様子を細かく計算していた。新たな技術では、大規模地盤に簡易なモデルを採用しつつ、建物周辺地盤では精密に振動が伝わる様子を予測。従来と同等の正確性を実現した。4〜5日かかっていた予測時間を5〜6時間程度に短縮することができた。  予測モデルを簡易化したことで、様々なパターンの長周期地震動を想定した設計ができるようになり、地震により強いビルの設計につながる。すでにいくつかのビル設計で導入し、施主や入居者に提案している。今後、高層ビルの建設だけでなく、土木構造物の設計・改修でもこの技術の導入を検討する。震源の位置や地盤の硬さを変え、様々な条件での計算ができるようにする。  長周期地震動は揺れの周期が長く、高層ビルヘの被害が大きい。南海トラフや相模トラフなど巨大地震で発生するとされる。

日経 2021年05月03日朝刊

 

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