不動産だよりロゴ

不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

日銀 利下げ可能性示す 金融緩和方向を明確化

 日銀は31日、金融政策決定会合後に公表した決定文に利下げの可能性を明記した。景気をてこ入れする追加緩和に踏み切る際は、民間銀行から預かる資金に手数料を課す「マイナス金利」の拡大も選択肢とすることを示した。黒田東彦総裁は記者会見で「金融緩和方向を意識した政策運営を明確にした」と述べた。  マイナス金利を年0.1%とし、長期金利は0%程度に誘導する現行の大規模な緩和策は維持した。黒田氏は消費税増税の景気への影響について「(2014年4月の)前回の増税時に比べると小さい」との見方を示した。一方、米中貿易摩擦を念頭に海外経済に不安があると説明した。  米連邦準備制度理事会(FRB)が直前に利下げを決め、日米の金利差が縮小した。円高ドル安が進む可能性が消えないため、日銀は利下げの構えを強く打ち出すことで、日本からの輸出に逆風となる円高を回避したい考えとみられる。  日銀は決定文に「物価上昇の勢いが損なわれる恐れに注意が必要な間、政策金利が現在の長短金利の水準、またはそれを下回る水準で推移することを想定している」と記載した。「少なくとも20年春ごろまで」としていた超低金利の期間は明示せず、黒田氏は会見で「20年春ごろでは終わらない」とし、長期化するとの見通しを示した。  会合後に公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、19年度の物価上昇率見通しを7月時点の1.0%から0.7%に引き下げた。20、21両年度の予想も下方修正した。19〜21年度の実質国内総生産(GDP)の成長率見通しも引き下げ、19年度は0.6%と予想した。景気の現状判断は「緩やかに拡大している」に据え置いた。海外経済は「成長ペースの持ち直し時期が想定よりも遅れるとみられる」と指摘した。

中日 2019年11月01日朝刊

 

Copyright (C) ADvance Forward Co.,Ltd. All Rights Reserved.