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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

中古住宅 取引データ整備 国交省が月次で 景気分析に活用

 国士交通省は住宅市場の統計を拡充する。調査回数の少ない中古住宅市場)の取引動向について、2020年度にも月単位の指数をつくる。賃貸物件の家賃についても新しい統計の整備を検討する。同省として住宅政策の運営に生かすほか、景気動向分析や金融政策運営の判断材料としても活用してもらう。  政府の統計では、新築住宅に関して新設住宅着工戸数などを毎月公表しているが、中古住宅は5年ごとに実施する「住宅・土地統計調査」しかない。民間には中古マンションの取引件数などの月次データがあるが、大都市圏にとどまる。  住宅流通に占める中古の割合は欧米より低いが、1990年の5.5%から13年には15%となり、現在はさらに高まっているもようだ。新しい統計を整備する背景には新築住宅の統計だけでは市場動向の把握が不十分になってきた面がある。  新統計の作成にあたっては、法務省がまとめている不動産の登記情報を活用する。売買によって所有権が移転した数から法人同士の取引数などを除き、月単位で動向を把握できるようにする。名称は「既存住宅流通指数」を検討している。  全国単位の取引状況は月単位で公表する方針だが地域別や都道府県別まで出すかは今後詰める。  国交省がモデルとするのが米国の「中古住宅販売件数」だ。同統計は主要経済指標として米連邦準備理事会(FRB)が金融政策運営で参照しており、国交省としても景気動向の分析にも使える指標にする意向だ。

日経 2019年09月11日朝刊

 

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