鈴与商事(静岡市)は9日までに、静岡、愛知、山梨の3県の新築住宅を対象に、太陽光発電システムの無償設置サービスを開始した。導入費用や光熱費の削減といったメリットを提供するとともに、夜間や悪天候時の電力供給を組み合わせ、利用拡大を図る。
契約は、固定価格買い取り制度(FIT)期間となる10年。所定の条件を満たす新築住宅の屋根に、鈴与商事が所有する容量5キロワット以上、10キロワット以下のシステムを置く。発電した電気のうち、顧客が自宅で使う分は原則無料となる。余った電気は鈴与商事が買い取って電力会社に売電する。
太陽光発電でまかなえず不足する電気については、鈴与商事の家庭用電力販売「鈴与のでんき」により、1キロワット時当たり28円で供給する。契約期間満了後は、設備一式を顧客に無償で譲渡する。
国内の戸建て住宅の太陽光発電普及率は約8%と低い。100万円を超える高額な導入費用が、要因として指摘されている。
鈴与商事は「新電力事業者として蓄積した知見などを活用し、戸建て住宅の太陽光発電システムの普及に貢献する」(経営企画部)と説明。工務店やハウスメーカーを通じ、サービス浸透を目指す。
|