鹿島はポーランドの不動産会社スチューデントデポをこのほど買収した。株式の90%を持っていた米投資会社から全株を取得した。買収額は約61億円とみられる。同社が欧州企業を傘下に収めるのは初めて。国内市場は縮小が見込まれ、海外で利益成長を目指す。
スチューデント社は学生向けマンションを開発運営しており、ポーランドの同事業では5割のシェアを持つとみられる。欧州子会社の鹿島ヨーロッパが米オークツリー・キャピタル・マネジメントから買収した。鹿島は今後、同国で学生マンションを年間2、3棟ずつ建設する考え。
ポーランドは欧米の主要国に比べて生活費などが安く、周辺諸国やアジアから留学生が増えている。今後も年間15%の伸びが続くとの見方もある。ただマンションは社会主義時代に建設された物件が多く老朽化している。大学生数約150万人に対し、学生向けマンションで収容できるのはその1割未満とされる。
鹿島は2018年度末で全体の2割にとどまる国内建設事業以外の純利益を20年度末に37.5%に高める目標を掲げる。
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