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弁天島駅前を再開発 浜松市、委託民間事業者を公募 浜名湖周辺 滞在型観光地めざす

 浜松市は西区舞阪町のJR弁天島駅前を再開発する方針だ。再開発とその後の管理・運営を委託する民間事業者の募集を4月から始める。老朽化した弁天島駅や駅前の弁天島海浜公園(約3万u)を一体的に再開発することで、滞在型観光の促進につなげる。  弁天島海浜公園は現在、舞阪町観光協会が市から管理を受託。市はこの土地を民間事業者に貸し付け、再開発と管理・運営を委託する方針だ。  3月7日の市議会環境経済委員会で「浜松市弁天島海浜公園・渚園条例」から弁天島海浜公園に関連する部分を削除する改正案を審議し、15日の本会議で改正条例が可決、成立する見通しだ。条例改正によって民間事業者に貸し付けられるようになる。  再開発の受託を希望する事業者は再開発計画を提案し、市が審査して選ぶ。公募は4月からの予定で、期限は未定。委託事業者は2019年中に決める方針だ。  弁天島駅はJR舞阪駅(浜松市)やJR新居町駅(静岡県湖西市)とともに、海岸に近い「表浜名湖」の玄関口に位置する。浜松市は「街全体の振興や観光誘客につながる提案を募集する」(関係者)考えだ。  浜松ゆかりの女性戦国武将、井伊直虎が主人公のNHK大河ドラマ「おんな城主直虎」が17年に放送された効果で、井伊家発祥の地である浜松市北区引佐町を含む「奥浜名湖」周辺は認知度が向上。浜名湖東の舘山寺町では観光施設「ぬくもりの森」の運営事業者などが再開発を進めている。  一方、1960年に完成した弁天島駅は施設の老朽化が進んでいる。市は19年度予算案に駅構造物や地質の調査費として1,320万円を盛り込んでおり、今後はバリアフリー化を進める予定だ。駅舎や周辺地域を一体的に再開発することで、集客力を高める。  浜松は現在、東京や大阪、名古屋などを目的地にした旅行の中継宿泊地としての位置付けが強い。再開発によってインフラ整備のほか、ビーチ・マリンスポーツや舘山寺温泉、地元食材といった観光資源のブランド化を進め、滞在型観光地への変貌を目指す。  浜松市は4月、湖西市を含む浜名湖周辺の「浜名湖観光圏整備計画」を公表する予定だ。日本人と外国人を合わせた年間延べ宿泊者数は17年度が250万人で、23年度には272万人に増やす目標などを掲げる。

日経 2019年03月05日朝刊

 

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