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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

贈与時の計算 自宅売却益の特例 所得制限 住宅減税、3つのミス 国税、誤申告見落とす

 国税庁は11日、2013〜16年の4年分の住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)などで、税金を控除しすぎていた人が最大約1万4,500人いたと発表した。3つのケースで納税者が誤った申告をし、国税当局もミスを見落としていた。対象者は追加の納税が必要になる可能性があり、所轄の税務署が文書を送付して知らせる。 国税、誤申告見落とす  6月に会計検査院から指摘を受けて問題が発覚。国税庁の猪野茂・個人課税課長は「(国税当局による)審査で把握されるべきだったが、大量の是正漏れが生じていたことは大変遺憾だ」と述べた。  3つのケースのうち約1万2,600人は、親などから住宅購入目的でお金の贈与を受けていたケース。住宅ローン減税の控除額の基準となる金額を誤り、単純に年末のローン残高を基に申告していた。  このほか、自宅を売却して得た利益について非課税の特例制度を利用した後、新たに購入した住宅について住宅ローン減税を誤って重複利用していた人が約1,800人いた。  住宅ローン減税とは別に、所得が適用上限を超えていたのに、住宅購入目的の贈与について贈与税が非課税となる特例を利用していた人も約100人いた。  国税庁は対象者に所轄の税務署から文書を送り、申告の見直しを求める。自主的に修正申告すれば一部の年には延滞税がかかるが、加算税は免除か軽減される。  今回の問題を受け、国税庁は税務署が審査する際に申告ミスを自動検出できるよう、システムの改修を検討する。全国の国税局や税務署に審査方法を指示していなかったことも申告ミス見落としの原因の一つとみて、徹底を図るという。  住宅ローン減税制度は、住宅取得の促進などを目的に1972年度の 税制改正で導入された「住宅取得控除制度」がルーツとされ、景気対策を理由に条件や金額などの変更が繰り返されている。  ファイナンシャルプランナーの豊田真弓さんは「景気浮揚と税収減の抑制をともに考慮した結果、屋上屋を重ねて複雑怪奇な仕組みになって いる」と指摘。給与所得者の場合、2年目以降は勤務先を通した年末調整で申告手続きが行われるため、「1年目の確定申告でミスがないよう慎重に確認することが必要だ」と助言している。

日経 2018年12月12日朝刊

 

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