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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

再生エネの「取引所」制度終了にらむ 中部電、年内に設置

 中部電力は太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電力を個人や企業が融通したり、売買したりするサービスを年内に始める。再生エネは2019年11月以降、順次、電力会社による買い取り期間が切れる。電力の「取引所」のようなサービスを設けることで固定価格買い取り制度(FIT)の対象から外れた電力の売買需要を取り込む。  東京電カホールディングスなどもFIT終了を見越して動いているが、取引所のようなサービスは中部電が初になる見通し。サービス開始を急いで他の電力会社や新電力より先行することで、知名度向上など先行者利益を取り込む狙いだ。  太陽光で発電した電力は現在、FITに基づき電力利用者から集めた賦課金をもとに電力会社が買い取っている。買い取り期間は10年間だが、19年11月以降は期限が切れる住宅などが次々と発生する見通し。  期限切れ後は電力会社の買い取り義務はなくなり、利用者が自ら電力の販売先を深す必要に迫られる。  中部電は発電した電力を個人間で送り合ったり、第三者に販売したりする取引のプラットフォーム(土台)を提供し、FIT終了後の余剰電力の受け皿にする。  例えば、一般家庭の場合、遠方で下宿する子供に電力を送ったり、自治体に寄付したりできる。中部電や事業所などへの売却も可能だ。手数料などの詳細は今後詰める。ポイントや仮想通貨を使った決済も「検討課題になってくる」(中部電の林欣吾・販売力ンパ二−社長)という。  今年9月には新電力のLooop(東京・台東)と資本業務提携した。Looopは小型太陽光発電設備の開発や施工を独自に手掛ける。Looopと組んで投資費用を抑えた発電システムを販売し、プラットフォームで電力を取引してもらうなど顧客の囲い込みにつなげる考えだ。

日経 2018年11月13日朝刊

 

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