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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

基準地価 中心部マンション人気 低金利、オフィス需要

 国土交通省が18日発表した都道府県地価(基準地価)では、東京、大阪、名古屋の三大都市圏で地価の上昇基調が強まっていることが示された。低金利が続く中、中心部に近く便利なマンションの人気は根強い。優秀な人材を確保するため、オフィス環境を改善しようとする動きも広がっており、商業地の価格上昇につながった。  「価格と購買力がマッチしている」。不動産協会の菰田正信理事長(三井不動産社長)は都市部の高価格帯マンションで値上がりが続いているものの、市場は好調と説明する。共働き世帯を中心に通勤に便利な物件を求める顧客が多いのが要因の一つとされる。  ただ、今後のマンション市場については、来年10月に予定される消費税増税により「消費者の購買意欲が低下する可能性がある」(不動産経済研究所)との指摘もある。  商業地への投資も活発化している。業績が改善した企業がオフィスを拡大したり、多様な働き方に合わせたオフィスを提供したりしている。複合ビルの新設が相次ぐほか、複数の会社や利用者が共同で使う「シェアオフィス」も増えている。  みずほ総合研究所の宮嶋貴之主任エコノミストは、都市部での住宅地と商業地の上昇について「共働き世帯や外国人観光客の増加、人口の流入など、経済構造の変化による実際の需要を表している」と分析している。 商業地 道府県庁所在31市で上昇  18日発表の基準地価では、全国31の道府県庁所在市で商業地が前年比プラスとなり、地方圏にも上昇基調が広がっている状況が浮かんだ。その他の所在市でも持ち直しの機運が出始めており、国土交通省の担当者は「上昇がどこまで拡大するか注視したい」と話す。  商業地がプラスになったのは、三大都市圏にある8市と地方圏の中核的な4市(札幌、仙台、広島、福岡)のほか、福島、新潟、静岡、大津、岡山、熊本などの19市。  これ以外の地域でも、盛岡、徳島、松山の3市は下げ止まり、秋田や長野、宮崎など11市では下落幅が縮小した。残る甲府市は前年と同じ0.9%の下落だった。  上昇の要因は、街の再開発や、外国人観光客の増加を受けたホテル建設が目立つ。  新潟駅の改修事業が進んだ新潟市とホテル需要が堅調な高松市は、上昇率は1%未満ながら、いずれもバブル期以来27年ぶりの上昇。山口市も新幹線駅前広場の整備などが奏功し、プラスに転じた。  15年3月に新幹線が延びた北陸では、富山市が1.0%、観光が好調な金沢市が4.6%の伸びを示した。

静岡 2018年09月19日朝刊

 

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