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東京圏から移住 最大300万円補助 政府、一極集中是正へ新制度検討

 政府は東京圏から地方への移住者に最大300万円を補助する新たな制度を検討する。内閣府が2019年度予算案の概算要求に盛り込む。地方創生推進交付金を活用し国と地方自治体で半額ずつまかなう。費用負担が足かせとなって移住をためらう若年層を後押しする狙い。人口の東京一極集中の抑制を目指す。  東京圏(東京都と神奈川、千葉、埼玉の各県)以外で起業した場合は300万円まで、中小企業への転職には最大100万円を支給する。転職の場合は、政府が19年度に新設を予定する全国規模の就職・転職サイトを使った転職者を対象とする方針だ。  東京圏の自治体の中にも人口が減少している地域があるため人口が密集する都市部からの移住者が対象になる見通しだ。政府が9月に立ち上げる「地域魅力創造有識者会議」で検討し、10月にも対象地域を固める。  交付金を受け取る対象は東京圏を除く道府県とする方向で調整する。自治体は独自予算と交付金で移住者に補助金を支給する。内閣府は地方移住の補助金制度を創設するため、地方創生推進交付金を18年度当初予算比15%増の1,150億円計上する方針だ。  地方移住とは別に、一定期間、職に就いていない人向けの補助金の新設も検討する。中小企業への転職には30万円、起業には100万円をそれぞれ補助する。地域の中小企業の人手不足を補う狙い。移住の場合と同様に、政府の就職・転職サイトの利用者を対象とする。  総務省によると、東京圏の1都3県で転入者が転出者を上回る「転入超 過」は17年に12万人近くとなり、4年連続で10万人を超えた。14年に政府が閣議決定した目標では20年までに人口の出入りを均衡させると明記したが、一極集中に歯止めがかかっていない。  移住補助金を巡っては、政府の有識者会議が6月に「経済的負担の軽減策として、支度金や都会と地方の所得格差を埋める財政的な支援が必要」との提言をまとめていた。ただ、個人への高額な補助金の支給にはバラマキとの批判の声が上がる可能性もあり、制度の実効性が課題となる。

日経 2018年08月28日朝刊

 

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