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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

住宅用太陽光 買い取り優遇 19年、53万世帯終了

 住宅用の太陽光発電を導入した家庭のうち、2019年から大手電力会社に電気を最も有利な固定価格で買い取ってもらえなくなる家庭が全体の22%に当たる53万世帯に上ることが27日、経済産業省資源エネルギー庁の調べで分かった。制度開始時に申し込んだ世帯が10年間の買い取り期限を迎えるためだ。申し込めば大手電力は買い取りを続けるが、価格を大幅に下げる見通し。収入はピーク時の4分の1に落ち込むとの試算もあり、太陽光普及にブレーキがかかる可能性がある。  政府は09年11月、普及を後押しするため住宅用太陽光の余剰電力について大手電力に10年間、1キロワット時48円で買い取りを義務付け、段階的に引き下げてきた。固定価格で買い取ってもらっている家庭は全体で240万世帯。期限切れを迎える家庭は23年までに累計で165万世帯に達する見込みだ。今後も申し込みを受け付けるが買い取り価格低下で鈍化するのは必至だ。  大手電力は期限切れ後の買い取り価格を提示していないが、19年度の固定買い取り価格の24円を下回るのは確実な情勢だ。例えば、年間発電量が4,400キロワット時の家庭が7割を売電すると、1キロワット時48円では年約14万7千円の収入が見込めた。仮に買い取り価格が24円に下がると収入は3万数千円に落ち込む。  政府は30年度の再生エネルギーを22〜24%とする目標を掲げる一方で、再生エネの買い取り費用の一部を電気料金に上乗せする国民負担の抑制も目指している。買い取り価格は引き上げない方針だ。  家庭は期限終了後、余った電力を売るか使うかの選択を迫られる。余剰電力を売らず、蓄電設備や電気自動車(EV)のバッテリーにためて自家消費する方法もあるが蓄電設備導入には費用がかかる。  経産省は今秋にもインターネット上で専用のページを立ち上げ、本格的に告知を始める。関係者は「制度が複雑で、どうすれば家庭に利益となるのかが分かりにくい」と指摘しており、買い取り終了後の対応を明示することが求められる。

静岡 2018年08月28日朝刊

 

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