家計の住宅ローン残高が拡大を続けている。日銀が27日発表した資金循環統計(速報)によると、2017年度末の残高は前年比2.2%増の202兆3,407億円となり、6年連続で過去最高を更新した。日銀の金融緩和による金利低下や、住宅ローン減税の導入で、お金を借りやすくなったことが背景にある。
固定型住宅ローン金利の目安となる長期金利は、日銀のマイナス金利政策の影響で、16年に一時マイナス圏に落ち込んだ。長期固定金利型住宅ローン「フラット35」の金利も連動して低下し、返済21年以上35年以下の最低金利は12年前半の2%台から、16年には過去最低の0.9%に下がった。直近は1%程度で推移している。
日銀は16年度までの動向をまとめたリポートで、住宅価格の上昇に伴い「新規の住宅ローン額が増えていることが考えられる」と分析。低金利なので急いで返す必要がないとして、繰り上げ返済が減少している可能性があるとも指摘した。17年度も同様の傾向が続いたとみられる。
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