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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

15日解禁、届け出26件のみ 受理ゼロ 県内民泊 動き低調

 一般の住宅に旅行者を有料で泊める「民泊」の解禁が15日に迫る中、静岡県内の事前の届け出は1日現在で26件にとどまり、受理されたのは1件もないことが分かった。営業日数などの制約が多く、需要も読めないことから、専門家は「やる気のある人はいるが、様子見の状態ではないか」とみている。  県によると、地域別の届け出数は賀茂保健所(下田市)管内が9件、東部保健所(沼津市)管内が6件、静岡市と熱海保健所(熱海市)管内が各3件、中部保健所(藤枝市)管内が2件、浜松市と富士保健所(富士市)管内、西部保健所(磐田市)管内が各1件。首都圏からの旅行者が多い県東部の届け出が多い。 26件のうち、設備などの要件や書類の確認が済み、県が正式に受理したケースはまだない。一方、民泊に関する相談や問い合わせは1日現在で885件に上っており、一定の関心の高さはうかがえる。  解禁間近でも届け出が30件弱しかないことについて、静岡経済研究所(静岡市葵区)の冨田洋一主任研究員は「県内にはホテルや旅館、民宿などが4千〜5千軒あるのに対して、非常に少ない」と指摘。  営業は180日以内といった制約が多い上、清掃などの費用もかかり収支の見通しが立ちにくいとみて、「もうけを考えれば民泊は割のいい方法ではない。子どもが独立した空き部屋を活用して旅行者と交流し、充足感を得たいという人に合うのでは」と話す。  県独自の規制が影響しているとの見方もある。条例で学校周辺や住居専用地域の一部は原則として平日の営業を禁じており、担当者は「相談の段階で禁止地区に該当する人が結構いた」と明かす。 【民泊】  訪日外国人客の増加で大都市圏を中心に宿泊施設が不足していることを受け、6月15日施行の住宅宿泊事業法(民泊新法)で導入。自宅や賃貸物件に有料で旅行者を泊めることが可能になる。受け入れには都道府県知事への届け出が必要だが、年間180日以内に限られ食事の提供はできない。さらに静岡県は、生活環境の悪化を防ぐためとして、条例で学校の周辺100m以内や一部の住居専用地域では原則、土曜夜のみに制限している。

中日 2018年06月08日朝刊

 

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