浜松市は、倒壊する危険性のある所有者不明の空き家一棟(天竜区横山町)について、空き家対策特別措置法に基づく略式代執行で一部を撤去する。2015年施行の同法による行政代執行は県内で初めて。
9日の市議会2月定例会で、山下昭一市民部長が加茂俊武氏(自民党浜松)の一般質問に答えた。市によると、19日にも撤去に取り掛かる。
対象の空き家は銑骨2階建ての店舗兼住宅。10年1月に住人の男性が死亡する火災が発生。その後放置され、焼け残った屋根と壁の一部が周囲に飛散するなどして、周辺住民への影響が懸念されていた。
市は親族に撤去させようとしたが、既に死亡していたり、連結が取れた親族からは相続放棄の意思を示されたりしていた。撤去するのは落下する恐れがある屋根と壁の一部で、撤去費50万〜60万円を見込む。
市は、今回の空き家を含め、倒壊の恐れや衛生上の問題がある28件を、同法の「特定空き家」に当たると認定。所有者に文書や訪問による指導・勧告をしたが、必要な措置が取られたのは6件にとどまっている。
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