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米国住宅需要拡大、コロナ禍で「ウッドショック」世界的 木材の争奪戦 県内も調達難 住宅着工、工期遅れ懸念

 住宅の柱や梁(はり)に使われる欧米産木材の日本国内での調達が困難となっている。米国の旺盛な住宅需要拡大と新型コロナウイルス禍の海上輸送コンテナ不足を要因に世界的な木の争奪戦「ウッドショック」が生じている状況で、県内でも建材不足に伴う住宅着工の遅れ、価格高騰へ懸念が広がっている。  5月上旬、浜松市天竜区でプレカット製造、スカイ(磐田市)が運営する柱工場。柱に加工する前の集成材保管倉庫内に空きスペースが目立つ。  「在庫は通常の3分の1ほど。ベイマツなどの丸太も入荷が減り、今や高値を払っても必要な量は買えない。このままでは一部休業も検討せざるを得ない」と高橋幸嗣会長はため息をつく。  一般木造住宅に換算して1カ月あたり200〜250棟分の柱を製造する同社では、3月から輸入木材の納入に遅れが生じ始めた。3月末には仕入れ先から「納期遅延改善のめどが立たない」と連絡を受け、4月以降入荷量が半減。4月中旬から住宅メーカーなどからの新規受注を停止している。  林野庁がまとめた木材貿易状況によると、ウッドショックの背景にあるのはコロナ禍の在宅需要と住宅ローン低金利を受けた米国内の住宅市場の活況。海上輸送コンテナ船不足も逆風となり、北米産木材は前年同月比2.5倍にまで高騰した。  日本の製材輸入量はことし3月まで9カ月連続で前年を下回り、木材需要の約7割を輸入に頼る日本での影響が深刻化している。  県内住宅業界にも影響が及んでいる。住宅建設のベスト・ハウジング(浜松市中区)の江畑和昭社長は「国産材も通常の1.5〜2倍に値上がりしている上に入手困難。間取りを決めてから資材発注する注文住宅は契約しても工期や見込み価格がお客様に示せず、新規の注文が受けられない」と明かす。建売住宅も扱う同社は現在、建て売り用の土地取得を見合わせている状況で「住宅産業には大工や内装、電気工事事業者など多業種が関わり、影響は深刻だ」とする。 <県産材 高まる引き合い 関係者「好機」 >  世界的な輸入木材が調達難を受け県産材の引き合いは高まっている。県内林業関係者は「今回のウッドショックは、県産材のシェア拡大の好機」と受け止める。  県森林組合連合会が県内3事業所で行う県産材入札の平均単価は5月中旬現在でスギ、ヒノキとも前年比2割増。2019年の消費増税前の駆け込み需要時を上回り、藤枝市の静岡事業所で13日に開かれた入札会に参加した県中部の製材会社社長は「これまで取引のなかった会社からも国産材の引き合いがあり、需要に生産が追いつかない」と明かす。  同連合会の望月鉄彦常務は「今回のウッドショックは一過性でなく、少なくとも年内は輸入材不足が続くのではないか」と見通し、「県産材の供給拡大のチャンスと捉え、市場が求める良質な木材の生産体制を整えていく必要がある」とする。

静岡 2021年05月24日夕刊

 

※ニュースファイルは、新聞各紙に掲載された地域開発関連記事、土地対策や税制など主だったものを日付順に整理したものです。
※転載した記事の末尾には、新聞紙名および日付(朝夕刊の別)等の出典を明示しています。


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