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住宅木材、13年半ぶり高値 米で需要拡大、品不足に 国内、住宅着工遅れも

 住宅の梁(はり)や柱に使う木材の流通価格が一段と上昇した。住宅需要が旺盛な米国に世界から木材が集まり、日本で不足している。柱などの木材を工場で事前に加工処理するプレカットメーカーは、受注制限や値上げを始めた。住宅の着工が遅れる可能性があるほか、住宅メーカーの収益の圧迫要因になる。  レッドウッドなどの薄い木の板「ラミナ」を接着して作る集成材は、梁に使う指標の集成平角(4m×10.5cm×30cm)の東京地区の問屋卸価格が現在、1立法m当たり6万5千円(中心値)。前月比9千円(16%)高く、リーマン・ショック前の2007年8月以来13年8カ月ぶりの高値だ。柱に使う集成管柱(3m×10.5cm角)も1本2,250円と同435円(24%)高い。  原料のラミナの対日価格の上昇が主因だ。欧州産の梁向け(4〜6月期)は1立法mあたり320〜350ユーロと前四半期比で2割高い。値上がりは3四半期連続で、最高値を付けた。  旺盛な住宅需要がある米国向けに輸出が増え、欧州で木材価格が上昇。日本側は必要量を確保するため値上げを受け入れざるを得ない。  米国への流入が続き、日本のラミナの輸入量は「足元は前年比で2割以上落ち込んでいる。今後はさらに減る見込みだ」(集成材メーカー)。新型コロナウイルスの流行長期化やスエズ運河の座礁事故に伴う物流網の混乱で、コンテナ船の入港が遅れたことも背景にある。  林野庁によると集成材の20年10〜12月時点の国内生産量は約43万立法mと、前年同期比で15%少ない。材料の不足で国内集成材大手の銘建工業(岡山県真庭市)は4月以降、生産を前年比で3割減らしている。  構造用集成材の国内メーカーで構成する日本集成材工業協同組合(東京・中央)によると、「材料不足で前年比2割以上の減産をせざるを得ない」という。生産カットの動きが広がりそうだ。  一方で需要は底堅い。新型コロナの影響で在宅勤務用のスペースが確保できる戸建て住宅の受注が、首都圏を中心に目立っている。新設住宅着工数は落ち込みが続くものの、流通市場で木材の品薄感が強い。銘建工業は高値で買ったラミナが出回り始める6月に、一段の値上げを計画する。  集成材と競合する米松製材品も価格上昇が続いている。指標となる米松KD平角(4m×10.5cm×30cm)の東京地区の流通価格は、1立法m当たり6万500円と前月に比べて3千円(5%)高い。未乾燥のグリン材も、同5万7千円と3千円(5.6%)値上がりした。  原料の米松丸太が値上がりしているうえ、海上運賃も高止まりしている。米松製材品最大手の中国木材(広島県呉市)は昨年末以降、断続的に値上げをしている。  木材不足と価格上昇を受けて、需要家であるプレカットメーカーは4月ごろから受注制限を始めた。1割以上減産している会社も多く、「住宅の着工に遅れが出るのは時間の問題」(プレカットメーカー)との指摘も出ている。  プレカット各社はハウスメーカーなどへの販売価格を徐々に引き上げている。それでもプレカットメーカーからは「さらに値上げをしないと、木材上昇分を転嫁できない」との声も漏れる。  住宅の建築費用全体に占める木材の価格は1割程度と少ないが、木材の高値が常態化すれば、住宅メーカーの収益を圧迫しかねない。住宅価格の上昇につながる可能性がある。

日経 2021年04月22日朝刊

 

※ニュースファイルは、新聞各紙に掲載された地域開発関連記事、土地対策や税制など主だったものを日付順に整理したものです。
※転載した記事の末尾には、新聞紙名および日付(朝夕刊の別)等の出典を明示しています。


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