浸水域の建築 許可制に「流域治水」法案を閣議決定
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政府は2日、まち全体で水害を防ぐ「流域治水」関連法案を閣議決定した。浸水リスクが高い場所への住宅、高齢者施設の建築は許可制を導入。安全な地域への集団移転支援を強化し、中小の河川でも洪水ハザードマップ(避難地図)を作る。水はけが悪くなった都市部の浸水対策として、緑地を保全する仕組みも盛り込んだ。
気候変動の影響で、今世紀末の洪水発生頻度は20世紀末の2倍に増えると試算されている。ダムや堤防だけに頼らず、土地の利用規制や避難体制の拡充に取り組み、被害を軽減する。
建築を許可制とするのは1.川幅が狭い2.本流と支流の合流部−など氾濫しやすい河川周辺で、都道府県知事が指定する区域。新築時に居室の高さ、強度をチェックする。
都市計画法に基づき、街づくりのルールを定めた「地区計画」がある場合は、浸水想定区域に家を建てるなどの際、敷地のかさ上げといった対策を義務付ける。
集団移転は、移転先となる住宅団地の造成、道路整備などの費用を国が補助している。法改正で支援対象の区域を広げるほか、人員に余裕がない市町村に代わって都市再生機構(UR)が事業を行えるようにする。
浸水想定区域の設定や、避難ルートなどを示すハザードマップはこれまで大きな河川が対象だったが、都道府県管理の中小河川に拡大。住民に危険を周知する。
緑地は雨水を地中に浸透させる効果があり、浸水被害軽減に役立つ緑地を開発制限の対象に加える。高齢者施設などの避難体制が不十分な場合、地元自治体が施設管理者に助言、勧告する仕組みも整備する。
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中日 2021年02月03日朝刊
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※ニュースファイルは、新聞各紙に掲載された地域開発関連記事、土地対策や税制など主だったものを日付順に整理したものです。
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