建て替えに民間アイデア 外国人の転居支援 県営佐鳴湖団地 浜松 住民交流の喫茶店併設も
|
県は老朽化した県営住宅佐鳴湖団地(浜松市中区)の建て替え事業に、県営住宅として初めて民間資金活用による社会資本整備(PFI)を導入する。民間企業のアイデアを採用し、同団地に多く住む外国人のために通訳付きの転居支援や、住民同士の交流につながるコインランドリー付き喫茶店(ランドリーカフェ)の併設を計画する。新たな団地は2021年度の着工、29年度の完成を見込む。
現在の団地に住む入居者が建て替えのために新たな団地に転居する際の手続きなどを支援するため、移転支援事務所を開設する。団地居住者に多い高齢者に配慮した分かりやすい説明や書類の簡素化を検討。日系人ら外国人が多く居住することも踏まえ、通訳
や外国語の資料を用意する。
同団地の規模は現在の12棟、計560戸から5棟、計440戸に縮小する。空いた土地には総合スーパーや介護施設、ランドリーカフェを併設して、入居者や近隣住民の利便性を高める。ランドリーカフェは洗濯の待ち時間に住民がお茶を飲みながら話をして交流が生まれるように工夫した。介護施設は高齢者住宅と通所介護事業所を想定する。住宅棟は鉄筋コンクリート造り5階建てで、880台分の駐車場を備える。
アイデアを提案したのは須山建設グループ(代表企業・須山建設)。県の選考会で入居者移転支援や余剰地の活用方法が評価され、事業者に選ばれた。
従来は県が設計して業者に発注していたが、PFIの導入によって設計段階から民間企業の考え方が反映される。県は今後、ほかの県営住宅の建て替えにもPFIを導入する方針で、担当者は「前例にとらわれず、より質の高い提案が出てきている。コスト削減や工期の短縮にもつながる」としている。
|
静岡 2021年01月29日朝刊
|
|
|
|
|
|
|
※ニュースファイルは、新聞各紙に掲載された地域開発関連記事、土地対策や税制など主だったものを日付順に整理したものです。
※転載した記事の末尾には、新聞紙名および日付(朝夕刊の別)等の出典を明示しています。
|
|
|