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不動産・住宅関連【新聞各紙記事スクラップ】

空き地対策にジレンマ 住宅政策で増える予備軍 人口減少、10年で2割増

 人口減少で虫食い的に出現する空き地が全国に広がり、国土交通省が対策に乗り出した。先行する空き家対策とあわせて遊休地の有効利用を探るが、思わぬ壁になるのが政府が旗を振ってきた住宅政策だ。  2013年時点の全国の空き地は1554平方kmと、10年前に比べて2割弱増えた。放置すれば防災や防犯上の問題にとどまらず、非効率な行政や地価の低下を招く。空き家の撤去にも費用がかかる。  国交省は今年に入り、土地利用と都市計画という異なる切り口の検討会を相次ぎ立ち上げた。これまであまり議論になっていないものの、避けて通れないのが住宅政策だ。空き家を含む空き地問題の根っこには世帯数を大きく上回る住宅ストックがある。  1月の新設住宅着工戸数(季節調整済み、年率換算値)は8カ月ぶりに節目の100万戸を超えた。東京五輪の選手村建設という特殊要因を割り引いても好調を維持している。けん引するのは相続税の節税目的のアパート建設だが、住宅ローン減税による後押しも見逃せない。  ローン残高の1%を所得税額から控除でき、減税額は10年で最大500万円。消費税率上げの影響をやわらげる狙いで始まったが、増税が延期されるたびに適用期限が繰り下げになり、いまは21年末まで有効だ。  日本の新設住宅のうち住宅があった場所に建てられる再建築率は9%ほど。新しい住宅を建てれば建てるほど、空き地の予備軍を増やしている状況だ。税制面で住宅建設を力いっぱい後押ししつつ、片方で空き地対策を迫られるという矛盾した状況にある。  日本の現状を「住宅過剰社会」と呼ぶ野沢干絵東洋大教授は「問題は野放図な居住地の拡大が止まらないことだ」と警鐘を鳴らす。300を超す自治体はまちのコンパクト化を進めようとしているが、住宅の郊外立地が止まらなければ、絵に描いた餅に終わる。  住宅投資は国内総生産(GDP)を動かす要因となるため、歴代政権が手っ取り早い景気対策として使ってきた。日本の世帯数は19年にも頭打ちになる見通しで、住宅政策が住宅ストックの充実を意味していた時代は終わりつつある。  専門家の間では、自治体ごとに住宅の総量に歯止めをかけたり、立地によって住宅ローン減税の対象を絞り込んだりする案が出ている。国交省が住宅過剰というジレンマに向き合わなければ、空き地対策はその場しのぎに終わる。

日経 2017年03月15日朝刊

 

※ニュースファイルは、新聞各紙に掲載された地域開発関連記事、土地対策や税制など主だったものを日付順に整理したものです。
※転載した記事の末尾には、新聞紙名および日付(朝夕刊の別)等の出典を明示しています。


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