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県内路線価、15年ぶり上昇 下落地点ゼロに 熱海市、ホテル建設増

 国税庁が1日発表した2025年1月1日時点の路線価で、静岡県内の標準宅地は前年比で0.2%上昇し、現在の算出方法になった2010年以降で15年ぶりのプラスに転じた。前年に1地点あった下落も5年ぶりにゼロとなった。新型コロナウイルス禍を経て不動産市況が回復、長らく下落傾向が続いていた沿岸部でも下げ止まりがみられる。  路線価は相続税や贈与税の算定基準となり、主要道路に面した1平方m当たりの標準価格を示す。標準宅地とは建物の敷地になる土地を指し、住宅地のほか商業地や工業地を含む。  県内13税務署ごとの最高路線価を記録した地点を前年と比べると、7地点で上昇し、横ばいが6地点、下落はなかった。23年は上昇が6地点、横ばいが6地点、下落が1地点あり、上昇地点が増え下落地点が減った。  東部では、熱海市田原本町(平和通り)が38万円と最も高く、前年比で15.2%上昇した。3年連続で2桁の伸びを記録し、県内税務署別最高路線価の中で上昇率は前年に続きトップ。全国でも27番目に高い伸び率だった。首都圏に近いことから若年層の観光客が増え、ホテルの建設ラッシュも続くなど、県内有数の観光地として発展している。  不動産鑑定士の芝口直樹氏は「首都圏からの需要が高く、地元相場を大きく上回る価格がついている」と話す。  県内で最も高かったのは、静岡市葵区紺屋町(紺屋町名店街呉服町通り)の118万円で、都道府県庁所在地の最高路線価としては全国16位。人流の回復に加え、土地の供給が限られブランド力も高いことから、前年と比べた変動率は0.9%から2.6%に拡大した。  浜松市では、浜松西税務署管内の中央区砂山町(浜松駅前通り)が103万円で、前年比4.0%上昇した。同署で100万円を超えるのは10年以降で初めて。駅に近く遠鉄百貨店などが集まる市内有数の商業エリアのため、企業の出店意欲が強い。高価格帯の取引事例が複数確認され、割安感や希少性が価格を押し上げる要因になっている。  一方、商業施設などの新規開業が見られなかった浜松東税務署管内の中央区和田町(国道152号通り)は横ばいとなった。  富士市では、JR富士駅北口の再開発に伴い評価地点が富士市本町(鷹岡富士停車場線通り)に変更され、前年比4.5%上昇した。芝口氏は「駅前が一体的に再開発されれば、発展への期待感が価格に反映される」と話す。  島田市は前年、県内で唯一下落した地点だったが、今年は横ばいに転じた。市役所新庁舎の完成による効果に加え、前年の価格が下限に近かったことが影響したとみられる。  コロナ禍後の景気回復や低金利の継続を背景に、県内の一部では大手不動産業者による土地の購入が活発になっている。「地元業者が価格面で競り負けるケースも出てきている」(芝口氏)という。  今後の地価動向については、同氏は「米トランプ関税の発動により、企業が土地を含む設備投資を止める動きが出てきており地価の下落要因になる可能性がある」と指摘。「日産自動車の大規模なリストラの影響で関連企業が集まる富士市でも地価に影響が出てくるかもしれない」と分析する。

日経 2025年07月02日朝刊

 

※ニュースファイルは、新聞各紙に掲載された地域開発関連記事、土地対策や税制など主だったものを日付順に整理したものです。
※転載した記事の末尾には、新聞紙名および日付(朝夕刊の別)等の出典を明示しています。


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