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住宅ローンの金利競争をけん引してきたインターネット銀行の勢いに陰りが出てきた。日銀の利上げなどを経て、大手銀行に規模で劣るネット銀が低金利の優位性を維持しづらくなっている。6月末には金融機関に低利で融資する日銀の制度が区切りを迎える。制度の活用で攻勢に出ていたネット銀には逆風となりそうだ。
日銀は1月の金融政策決定会合で「貸出増加支援資金供給制度」の新規貸し出しを6月末に終えると決めた。同制度は貸出残高を増やした金融機関に日銀が低利で資金供給する仕組みだ。6月時点の残高は約71兆円で、うち大手行が28兆4,000億円、ネット銀や地方銀行は42兆5,000億円を占める。
影響を受けそうなのがネット銀だ。制度の終了で「貸し出しが頭打ちになるわけではない」との声がある一方、同制度を使って資金調達してきたネット銀の担当者は「住宅ローンの融資にマイナスの影響が出てくるだろう」と身構える。
ネット銀は実店舗を持たない身軽さでコストを抑えつつ、相対的に高い預金金利を売りに台頭してきた。24年度における住宅ローンの新規実行額は住信SBIネット銀行が約1兆9,000億円となり、三菱UFJ銀行の1兆円超を上回る規模となったようだ。
日銀は24年3月にマイナス金利政策を解除し、政策金利を徐々に引き上げてきた。体力に勝る一部の大手行が低い住宅ローン金利を維持する一方、ネット銀は低金利を保ちづらくなっている。auじぶん銀行は基準金利の見直しで25年4月に変動型の金利を上げたが、6月にもさらに引き上げた。
住宅ローンの比較診断サービス「モゲチェック」によると、変動型の住宅ローン金利で大手行より低い水準を出してきたネット銀は直近では24年8月に金利水準で大手行に逆転された。
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