不動産調査会社の東京カンテイ(東京・品川)が24日発表した2月の中古マンション平均希望売り出し価格は、東京都心6区(千代田・中央・港・新宿・文京・渋谷)で前月比2.3%高の70平方m当たり1億5,107万円だった。1億5,000万円台に乗せるのは2004年1月の集計開始以来で初めて。価格が高騰するなかでも需要が衰えず、25カ月連続での上昇となった。
調査は事務所や店舗用を除いた専有面積が30平方m以上のファミリータイプの物件を対象としている。
法人や国内外の富裕層が主な買い手となる都心のマンションには投資マネーの流入が続き、相場が押し上げられてきた。特に高額物件の多い千代田区と港区の平均価格はそれぞれ2カ月連続で2億円を超えた。東京カンテイの高橋雅之上席主任研究員は「地価の上昇や深刻な人手不足を受け、都心の不動産には今も先高観が強い」と話す。
一方、23区内でも実需層が主な買い手となるエリアでは価格に頭打ち感が出ている。練馬区や江戸川区などを含む城北・城東11区の平均価格は0.6%安の6,094万円と、24年4月以来10カ月ぶりに前月を下回った。東京カンテイの高橋氏は「下落基調に転じたとはみていないが、実需層にとっては高すぎる水準で反応が鈍くなっている可能性がある」とみる。
首都圏(1都3県)の平均は0.7%高の5,218万円だった。神奈川県は0.1%高の3,795万円、埼玉県は0.3%高の2,933万円、千葉県は0.9%高の2,734万円となった。
近畿圏の平均は0.6%高の2,969万円。大阪市の中心部がけん引し、最高値を更新。大阪市中心6区(福島・西・天王寺・浪速・北・中央)の平均は前月比3%高の7,147万円と、初めて7,000万円を超えた。前年同月比の上昇率では33.6%に達し、都心6区(32.8%)を上回っている。
|