27日の国内債券市場で、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時1.11%まで上昇(債券価格は下落)した。2011年7月以来、およそ13年ぶりの高水準をつけた。27日発表された2025年度の国債発行計画で5年債の発行増が示され、需給の緩みを警戒した売りが広がった。
財務省が27日公表した25年度の国債発行計画では5年物国債の発行額は24年度から1兆2,000億円増える。市場では想定外の増額だとの声が出ており、需給不安から5〜10年の年限で債券売り圧力が高まった。日銀が25年1月から国債の月間買い入れ額を4,000億円減らすことも需給の緩みにつながるとの見方が出ている。
日銀が27日公表した金融政策決定会合の「主な意見」(12月18〜19日開催分)では「利上げを判断する局面は近い」「金融緩和の度合いを調整できる状況だ」といった指摘があった。
日銀は同会合で追加利上げを見送り、植田和男総裁も会合後の記者会見で利上げ判断には「もう1ノッチ(段階)ほしい」と慎重姿勢を示していた。
今回の主な意見では25年1月利上げの可能性は否定できなかったとの見方が浮上し、債券の保有額を減らす動きが広がった。
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